★写真は机の上で芽をだした自然薯の姿です。可愛いというか、寂しげというか、ちょっと間が抜けているのか、なんとも言えない姿です。本来は土の中でこうあるべきなのですが・・・。
生き物には思考する脳とは別に、もう一つの脳が存在するだろう
前々回にご紹介したように、近年、環境の変化にともなって、農作物の作柄が何かおかしいという話を良く聞きます。日本の山野に自生するものや畑で栽培される自然薯(自然生、天然山芋、ヤマノイモなどと呼称は色々あり)においても、その芽立ちも悪いとの報せが多くなりました。私がWEB管理している会社での話ですが、例年なら1カ月ばかりで芽をだすのが、一月半経っても出ないので、様子を見てみると「土の中で化石のように黒く固まっている」と化石のように黒く固まっていた。適切に説明できる原因も分からず「何やら土の中で異常なことがあったのだろう」としか言えない状態で、とりあえずはその黒化した山芋をサンプルとして置いておくことにしました。その芋を水で洗って、ビニールにいれて棚に置いておいたところ、なんと!芽が出てきました!(写真は約2週間後・記念撮影後に山へ埋め戻しました)
植物にも脳があるのか?
一定の条件、例えば温度や湿度さえ合えば、すくすく育つ品種の稲があるとする。その稲が穂をつけ収穫間際、台風に襲われる。倒れて水に浸かった穂先のモミは、「あっ!温度と湿度が適当だな」と芽を出し始める。
一方、かたや野生児の品種、ちょっと扱いは難しいし癖はあるのだが、同じく風にたおされ水に浸かっているのだが「あれ? 田植えされた時とよく似た状況だが何かおかしいな。今、芽を出したらそのまま育っていけそうじゃないな。ヤバいぞ!」と考えたのかも知れない。確かに今発芽してもこれから冬に向かうので育ちはしない。こう考えた稲はえらい!考えたというのもおかしな表現だけれど、こうゆう品種を「脳のある植物」と呼ぶ人がいる。
もともと、食虫植物のように動物に似た草花のことは知っていましたが、生き物には思考する脳とは別に、もう一つの脳が存在するだろうという話を最近聞きかじって、驚きながらもよく感じ入っています。進化というのはその方の脳で進んできたのでしょう。
自然科学ブログ「進化を考える・もう一つの脳」 ここでは、オーストラリアで生息する不思議な特殊ラン「ハンマーオーキッド」をはじめ、いろんな知性を感じさせられる植物を紹介しています。かしこい植物がいますよ!特に種子はもう頭脳の集積したようなものだから、叡智の塊という訳です。
冒頭の自然薯の芽の話も、何かを暗示しています。そのまま土の中で発芽せず、棚の上で発芽した訳が何かあるように思われます。こういう現象が日本各地で起こってくるなら、日本各地で何やら変化が生じ始めているという事です。最後に「心の誕生」の仕組みを、植物と対比させたレポートの中に次のような一節がありました。
「心とは神経幹細胞群(桜の生長点細胞群)が外界からの情報と自己の記憶(桜の幹や枝)を基に検索しながら、未来に向かってより良く生きていくためのビジョンを描き出している脳全体の活動と考えられる」
【参照文献】
「心はどこから生まれるのか」 出版/幻冬舎 著者/永井哲志
●追記(2011年4月)
能のある食物・挺身の植物