周南まちづくりコンテスト最優秀賞を受賞!

 報告がおくれましたが、今月3日、徳山大学にて行われました「周南まちづくりコンテスト2013」一般の部最優秀賞の栄誉をいただき、その受賞式に参加してまいりました。
(※詳細は、徳山大学・地域連携センターのホームページをご覧下さい)

嘘のようなホントの話し「ブチノミクス」で元気再生!

 今回、最優秀賞をいただきました「地域通貨 [Buchi] で周南の元気再生! 」はこのブログでも昨年に紹介しました道の駅でのプランの一つで、より具体的なイメージを添えて今回再提出したものです。ずばり周南版アベノミクスで「ブチノミクス」と命名させていただきました。
 まずは、当日のプレゼンで使いましたテキストを紹介させて下さい。イラストで紹介した循環図とプランの内容はA4で4ページにまとめたPDF(少し重い)にてご覧頂けましたら仕合せます。

  ●◯●◯● プレゼンテキスト ●◯ ●◯●

 フェイスブックの「地域通貨について考えるページ」でも紹介されていますように 日本のお金「円」は造幣局で作られます。その印刷されたお金を、日銀が買い取るんですが、この日銀は実は一私業です。たしか資本金は1億円で従業員は5000人足らずのまあ株式会社みたいなものです。
(所有資産が他の会社と違って、100兆円を有に超えていますが。当然ですよね。)

 その日銀が 1万円札も、5千円札も、千円札も、ほぼ(印刷実費の)1枚20円で買い取り、それを額面の金額で日本政府に貸し出します。1万円札の場合、元手20円ですから利益は9,980円でなおかつ貸し付けですから利息も取ります。こんな濡れ手に泡のようなビジネスが許されると思いますか?あまりにも美味しい話しです。

 しかし、このリアルマネーに対抗して、ここ周南市でやろうというのが、「ブチノミクス」という嘘のようなプランです。

 ★このからくり(流通システム)の詳細は、資料・循環図.PDFを参考にして下さい。

 資料の中にある中期目標が上記の数字です。これはドイツ・バイエルン地方で、流通している地域通貨キームガウアーの2008年度の流通規模を「ブチ」に置き換えた数字です。ちなみにこのキームガウアーは地元高校の先生と生徒で2003年に立ち上げたものです。
 5年でこの規模、(運用益2000万円)に成長したことを考えると、決して周南市でも不可能なことではありません。地域通貨としては世界的に見ても大きな成功例の一つと言えるでしょう。
 財政危機で、ユーロが回らなくなったギリシャでは「テム」という地域通貨が脚光を浴びています。まだまだエリアは限られていますが、ユーロが無くても生活できる地域が生まれつつあります。

 また逆に失敗例も沢山あります。特に国内では、いろんな運用例がありますが、ほとんどは、まだまだ試行、実験という段階で、地域通貨のもつ素晴らしいプラス面が発揮された成功例にはまだ至っておりません。

今でしょ!地域通貨が必要なのは!

 日本でなぜ地域通貨が成功しないのか?その要因の一つには、現在の円というリアル通貨で然程「困っていないから」という指摘もあります。
 しかし、現実はグローバルな経済がどんどん進行して、予定されるTPPのような環境を考えると、これから果たして日本の地方社会、里山社会がどれだけ先細りせずに生き残っていけるのか? このまま手をこまねいていては厳しいものがあると思います。
 地域が自力で生き抜いていくには、地域の在り方をもう一度深く考え直す必要があります。その意識を全市民的に喚起させていく為にも「地域通貨」の取組みは絶好だと考えて、提案させていただきました。
 ご清聴ありがとうございます。(当日プレゼンテキストより)

【補記】詳しいプランの内容紹介や反響等は追而掲載させていただきます。

●周南ツーリズム:関連ログ
 005:精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム
 005:第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化がなるか?
 004:シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」
 000. 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●道の駅:関連ログ
 周南市は誰のために道の駅を作るのか?
 個人ブランド米 コレクションで売れるか!
 「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南?
 周南デザイン2、イメージとスペース
 周南デザイン1、プライドとブランド
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 周南市PR映画・第一部が完成

ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟

 「ダッシュ村」や「田舎へ泊まろう」的TV番組が貢献したからでしょうか、田舎や農業がダサイ、クライとイメージされた時代は、もうずっと昔の話しで、今やオシャレで心地よく明るいイメージにあふれている!(と言われてみても?当事者・現場にはあまり実感はないのですが・・・)
 確かに世間一般のトレンドは「農」的なものに傾斜していますし、企業の農への進出はすごい勢いで、「食」の話題も地方を中心に弾んでいますし、実際、都市部からのUJIターン「ふるさと回帰」も急速に進んでいるようです。

 ・国交省の「地域づくりインターン
 ・農水省の「田舎で働き隊!
 ・総務省は「集落支援員」「地域おこし協力隊

 地方を何とかしようとお国もいろいろ手配りをしてきましたが・・・遂には
雇用は頭打ちだから、「ふるさと回帰」でビジネスチャンスが増えるので、アンタ等自身で起業しなさい!というのが「農村六起」なるもの。農山村での6次産業起業人材育成事業を内閣府で振興していて、「地域マネジメント法人」を育成しようとしている。
この「農村六起」では・・・

 ・インターンシップ(実地無料研修)では10万円の活動費がもらえる。
  (年収200万以下の人)
 ・ビジコン(事業モデルコンテスト)で認定されると起業経費200万円の補助がもらえる。

 内閣府によりますと、2030年に都市住民約1千万人の地方定住 または二地域居住が見込めると推計があり、こうしたふるさと回帰の普及に伴う「ふるさと回帰産業 とも呼ぶべき巨大な新たな市場・産業が形成されていくだろうと予測し、手近な所では2012 年に、約8兆円の市場規模となるだろうと言われています。
続いて、次のようにも予測しています。

 『ふるさと回帰希望者を各地に誘導するプロモーター事業(行政、旅行業、メディア・広告業、NPOなど)、定住・ 二地域居住用の住まいや農地などを提供する事業 (不動産業、農業団体、建設業、住宅改修業など)、 働く場や田舎暮らしを充実させるアクティビティを提供する事業(職業紹介、起業支援、農林漁業、観光施設業、趣味関連など)、生活サービスや運輸サー ビス業(小売・飲食業、各種生活支援サービス業、鉄道・バス・航空、レンタカー、引っ越し業など)等、 様々な業種・業態の事業機会が発生する。また、これらさまざまな業種・業態を結合させてトータルな「ふるさと回帰産業」として組み立てるインテグレーター業(統治企業)も現れるだろう。』

 この市場を担うべき地域に精通した「地域マネジメント法人」が成熟しておらず、これら人材や企業を育てるのが「農村六起」だと言う事らしい。「農民一揆」と語呂合わせもあって、何だか凄いイノベーションを感じさせますが、果たして目論み通りにいくでしょうか?
結局は、既存のソフト事業の業界に、大半お金が吸い込まれていきそうな予感がします。もっと大胆な民間活力を爆発させるようなシステムを生み出すには、今の官僚たちでは無理なのかもしれません。

 この内閣府の推計で注目する所は、「ふるさと回帰」の願望が高い世代が、(二重生活を除く)定住に限り、定年前の50歳代より、20歳代の方が高いという点です。団塊世代が、まだ現役で働けるだけ働こうと現場で頑張っているのでしょう。「団塊の世代」の大量リタイアが、ふるさと回帰のムーブメントを引き起こすと言われましたが、実はその団塊ジュニアやロストジェネレーションが「ふるさと回帰」の核心的な主体となっていきそうです。そうなれば誠に嬉しい限りです。
 団塊世代の二重生活的「ふるさと回帰」だけでは、本当の意味で「人の空洞化」「土地の空洞化」「ムラの空洞化」そして一番肝心の「ふるさとへの誇りの空洞化」を埋める事はむすかしいでしょう。若い「アメニティ・ムーバー」たちを巻き込んだ、彼らのライフスタイルを共有できるような「ふるさと創造」であってほしいものです。

ここで、もう一度、
北欧で静かに広がる「ふるさと存続運動」の本質的な理念を紹介しましょう・・・

農業は、地域の自然が語る言葉を理解する文化的行為である。文化(culture)とは大地を耕す(cultivate)ことである。農業では、地域の自然全体を体系的に理解しなければならない。
農業を通じて人間は自然を全体として学び、全体として世界がいかに機能しているかを考えようとする。そのため地域の自然とのかかわりが、人間の感性や人間の思考の在り方を形成する。

(「ふるさと存続運動」は神野直彦さんのコラム記事より。2008/6/16の記事に詳細があります)

ふるさとは遠きにありて思ふもの?

室生犀星の愛したふるさとの犀川(フォトショで加工)

 先だって福田総理が食料自給率のアップに真剣に取り組むとの重大決意を発表いたしましたが、何やらサミット向けの宣伝臭い感もなきにしもあらずで、今ひとつピンとしない。というより、遠い将来の大切な事を見定めないまま、その場限りの施策でお茶を濁してきた日本の”農政”の負の部分を引きずるような気がします。もっと人の生き方までを突き詰めた理念ある農政を提唱しなければいけないのですが・・・。
東大教授の神野直彦氏の「ふるさと存続運動」の記事(日本農業新聞/論点)に共感しました。紹介したいと思います。

 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」(室生犀星)この詩の一節が日本の近代化を象徴しているともいう。「ふるさと納税」にしても、仕送りはするが「ふるさと」を見捨てて、遠くで懐かしもうとしているものだ。と切り捨てている。
 今、あくまでも「ふるさとは近くにありて愛するもの」「近くにありて守るもの」という発想から着実に展開している北欧の「ふるさと存続運動」、特にノーマライゼーション(高齢者・障害者と健常者が助け合って暮らせる社会作り)や、クオリティ・オブ ライフ(人間的尊厳を保つ生活)が、掛け声もなくと静かに広がるスウェーデンでの「ふるさと存続運動」の本質的な理念を紹介しています。核心部分は原文にて・・・

 『運動を支える背後理念は地域が人間の生存に必要な資源を、いつも提供してくれているという信念である。それは人間の生存という営みが、生きている自然に働きかける農業を基本としていることをも前提にしている。つまり地域には人間の生存に必要な”生命の蓄積”としての自然資源が十分にあることを意味している。
農業は、地域の自然が語る言葉を理解する文化的行為である。文化(culture)とは大地を耕す(cultivate)ことである。農業では、地域の自然全体を体系的に理解しなければならない。
農業を通じて人間は自然を全体として学び、全体として世界がいかに機能しているかを考えようとする。そのため地域の自然とのかかわりが、人間の感性や人間の思考の在り方を形成する。』

 ちょっと抽象的で分かり辛いかも知れませんが、これを子育てにおいて説明したところは、我が身に置き換えやすいので目を通して下さい。

 『それだからこそ「ふるさと存続運動」を展開する北欧では、子どもたちが「人生のための教育」を学ぶことができる。とことろが、「ふるさと」を見捨てている日本では、子どもたちが森に足を踏み入れ、生命の誕生に感動することもなく、生きる川を目にすることもなく育っていく。もちろん、大地に種を蒔くこともない。
 自然が自然に異変が起きていることを語ってきても、日本の子どもたちはそれを理解することができない。地域の自然とのかかわりを通して、自分の生きている世界を全体として理解し、生きていく上で遭遇する問題を解決していく人間的能力は身に付かない。
「ふるさと」を存続することは、子どもたちを育てていくことでもある。北欧が子どもたちの教育に成功し、知識社会を築いているのは「ふるさと」を存続し、子どもたちが自然との会話が出来るからである』


 遠きにありて思ふ「ふるさと」そのものを持ち得なかった都市遊民の自分にとっては、お腹をえぐられるような痛みを覚えます。自らの「ふるさと」再生を含め、今生活を始めたこの地域の自然をもっと体験・体感でき得るよう頑張らなくてはとあらためて感じる次第です。