個人ブランド米 コレクションで売れるか!

個人ブランド米
田んぼごとにお米の価値は変動する

 前回に<休憩・交流エリア>の地域通貨「Buchi」の詳細説明をさせていただきましたが、今回、順番を戻して〈物販エリア〉〈周南Wコレクション〉)に訪れた時の体験レポートを掲載します。

〈シミュレーションレポート・物販エリア〉

 周南市の特産と言ってもすぐに思い浮かぶものはない。生鮮品や特産品売場も一見すれば、よくある「道の駅」とさほど変わった所はなさそうだが、よく見てみると商品一つ一つがとてもユニークで、売り方にも工夫が見える。「周南W コレクション100」のコーナーでは、来訪客がひと際足を留めてにぎわっている。このコーナーでは、何でもないモノが、何処でもあるようなモノが、ちょっと違った形で並べられており、買い物客の熱い注目を浴びている。例えば・・・・

●周南My米コレクション
 お米と言えば、よその道の駅では売場の片隅につまれた脇役のアイテムのはずだが、ここではずいぶん注目され、主役級になっている。この「お米コレクション」は、近隣生産者の個人ブランド米を、可愛い二合用の小さな米袋に入れてずら~と並べているのだが、その種類がとても豊富だ。周南市にはこんな数のブランド米があったっけと疑ってしまうほど種類がある。これだけで注目してしまうのだが、それぞれのお米袋にはユニークなネーニングやモノづくりの背景が一見して分かるようパネル展示を併せるなど工夫されて、目を引く仕上げとなっている。
 よく見てみると中には「無検査米」なるものもあって、等級も表示されていない。個人ブランド米のほとんどが、普通に作られたよくある品種のお米なのだが、こういうコレクション販売をすることで従来とは違った商品表情を作り出すことができているのだろう。

個人ブランド米

 「88 歳の爺ちゃんがニコニコ元気に作った/米寿米」というのがあったり、「コンビナートに囲まれた田んぼで育った/ド根性米」などと「観音岳の麓でとれた/黄金米」「ナベづると仲良しの/つるっと米」「山奥の棚田で育った/おたな米」などなど、それを見ているだけで周南市の数々の田んぼの風情が浮かんでくるから不思議だ。
生産者の顔や名前はもちろんそのお米を育んだ背景が上手く活用されている。米そのものよりその背景・風景を買ってみたいと思わせる。それだけではない、それらのコレクションをいくつか売場でチョイスしてセット売りしている。

個人ブランド米

 『うい~く7セット』は一週間のそれぞれ、その曜日にマッチしたレシピを付けて、なおかつその料理にあった品質のブランド米を合わせている。献立に悩む主婦が思わず手をだすような心憎い演出だ。 『棚田米セット』では、美しい周南市内の棚田風景を描いた絵はがきと組み合わさって、周南の棚田米の素晴らしさをアピールする演出で、十分に手みやげ・進物用に使えるようだ。お米をお土産にもらう経験がない私には、非常に新鮮に映った。
もちろん、気に入った個人ブランド米のどれをチョイスしても良い。5袋で750 円、計算すれば割高なのだが、楽しみながら買っていくようだ。もちろんそのお米の生産者との絆が生まれれば、その個人ブランド米は、ユーザーへ大袋で配送してくれるシステムもあったり至れり尽くせりだ。
 このお米コレクション市内近郊の生産者であれば誰でも、この道の駅の〈交流ターミナル室〉で簡単な手続きをすれば、個人ブランド米を登録・販売できる。業者に卸すより数倍の価格設定ができるし、何より道の駅のスタッフとモノづくりブランドづくりを楽しんでいくという競創が張り合いとなっているらしい。
 
●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 何処にでもある普通のお米が、こうしてブランド米として特産品になるなら、どんなものでもアイディア次第で売れるのだろうか。「周南あぜ道小石コレクション」なども企画されているらしい。田んぼの石ころを商品にしょうと考えているのだ。こうなると正に錬金術そのものだ。中でも注目すべきコレクションは「竹コレクション」
無尽蔵の資源ともいってよい竹を活用することができれば、頭の痛い竹害も減らせて一石何鳥ともなる妙案なのだが、その難題にここの「道の駅」は積極的に取り組んでいるらしい。
 県別では山口県は第三位、何千とある市町村別には周南市が全国ベスト13位らしい。(因に一位は下関市)ベストなのかワーストなのか、周南市は竹林王国らしいので、言わずとこれを資源化できれば、厄介な竹林がお宝の山へと変わってしまうというマジック。これには思わずガッテン!と手を打ってしまう。
 その道筋を示しているのが、TAKE プロジェクトの一環で、この道の駅の「竹コレクション」なのだろう。良質タケノコの生産から、商品のコレクション化、竹の加工品、竹炭、竹材ペレット、竹グルメ、竹文化を含めて、商品や情報がわんさかコレクションされており、事業推進のベースとなるような連携機能を存分に発揮している。

個人ブランド米

 そういえば、道の駅のワッショイ広場の遊具は竹製だった。子ども達が今までに無いような不思議なテンションで遊んでいたのもそのせいだろう。また広場の一角では、野外炊さん「ぽんぽら飯」が体験できるというので挑戦してみた。地元の山菜を使って竹筒で炊き込むのだが、竹筒や竹食器づくりからはじめるので、食育的にも工作的にも、子ども達には良い刺激になったようだ。
 この竹材は持ち帰り自由で、竹細工が堪能できる工房が解放されおり、大人がハマりそうな竹家具にも挑戦できたり、最終的には竹の家屋のプランも紹介されている。大いに周南の竹プロジェクトを盛り上げている。「竹といえば周南」素晴らしいブランドに成長しそうだ。
 (道の駅:疑似体験レポートはまだまだ続く)

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