004:シビックプライドを支える山々

裏山が培うシビックプライド

●いよいよ具体案に入ります。(前回よりの続き)
 前回にて周南エコツーリズムにとって、まずは、ガイドブック作成という基盤整備の必要性を説きましたが、後で思いついたのですがこれは、防災ハザードマップへの応用も視野に入れておけば、市民にとっても非常に有効な生活アイテムの一つになるかも知れません。
(道の駅が災害ボランティアネットワークの起点となる「ボランティア事業」も提案中です。それは別項にて詳細を検討します)

 さて、私たちが暮らす町の裏山・背山をしっかり体感出来て、その体験を全市的な共有感に高めることが出来るイベント、エコツーリズムへの関心を喚起させて、市域の内外へ強烈にアピールし、「周南エコツーリズム宣言」とでも言えるようなシンボリックイベントと言えば・・・陳腐のようですが、都市部の背後に広がる山々の峰を走破する「市民縦走大会」が浮かびます。このようなシンプルで持続可能な行事を持ち得ることが重要と考えます。
 スポーツツーリズム的に置き換えれば、「◯◯市民マラソンの開催!」というようなイベントが各地でよく行われ注目を浴びていますが、エコツーリズムでは何と言っても縦走大会でしょうか。走りと山歩きをミックスした「クロスカントリー」もあり得ますが、やはり中高年から子供まで、幅広い年代の市民がさほど特殊な技術や修練が無くても、参加出来て楽しめるものは市民縦走大会が一番だと思います。

●シビックプライドを支える山々

 ここで又、神戸を引き合いにしますが、神戸市が主催する「六甲全山縦走大会」を少し紹介します。
この大会は、加藤文太郎と出会い、六甲山での狂気のような山歩きを私が始めたキッカケとなったコースです。縦走路コースは、公称:全長56.4km、標高差の計が3000m余。普通のハイキングはおおよそ一日10~15km程ですから、4回分のハイキング距離を一日で歩き通すもので、それもアップダウンの激しい苛酷なルートです。死者がでたこともあります。山歩きに縁の薄いビギナーがいきなりチャレンジという訳にもいきません。
 それにも関わらず、毎年多くの参加者を集め地元ハイカーの秋の風物詩となっていますが、それも過酷なイベントの中で繰り広げられる様々な人間ドラマに惹かれ、市民生活に深く浸透した行事になっているからでしょう。(六甲全山縦走の項を参照

 神戸市民にとって背山「六甲山系」がシビックプライドの一つを担っていることは間違いないところです、そしてその愛着と誇りが、地域資源の磨き上げの原動力となって、ツーリズムをはじめ様々な文化資源としても活用できるスペース・市民広場としてのステージ機能を作り出しています。周南市においても、山塊の個々において魅力あるものが点在していますが、周南の背山とか裏山とか言える山域としての纏まり感が欠けているように感じます。「市民の背山・裏山」というイメージを強烈に投げかけて、市民全体の地域資源としての意識付けを作って行くには、神戸に学ぶまでもなく「市民縦走大会」が、平凡な発想ですが最適なプランとして思い浮かびます。具体的な山域やコースはいろいろと考えられるでしょう。

●道の駅がエコツーリズムの起点・基地に?

 「競創と恊働」の道の駅づくりを大きな前提に考えれば、道の駅の誕生に併せて、このイベントを位置づけしておくと非常に分かり易くなります。道の駅が交流のターミナル化を目指すためにも、縦走コースの起点か終点かが道の駅であることが最適だと考えます。道の駅がエコツーリズムの交流と情報発信のベースキャンプともなれば、道の駅の有り様も大きく可能性の膨らんだものとなります。
・・・そこでいくつかのルートプランが浮かびます。
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メインプラン
新南陽・永源山公園をスタート地点に、四熊岳~陶の道~嶽山~若山~旧西国街道~湯野三山~道の駅をゴール地点 ★地形図のオレンジライン
〈6ピーク、高低差合計およそ2,000m、全長推定:約20km〉

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サブプラン】 防府の大平山からスタートして湯野三山への縦走、ゴールは道の駅。メインプランよりややスケールダウンしますが、湯野温泉でのイベント併催が企画出来る。
★地形図のレッドライン
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メインとサブの同時開催も可能でしょう。いずれにしろ「道の駅」を終点にして、人の流れや情報の集約をおこないエコツーリズムの基地化(交流の場=起点)をアピールできれば言うことありません。
 ちなみに、メインプランは過酷で有名な神戸市主催の「六甲全山縦走大会」の約3分の1程度のスケールでしょうか。しかし6ピークとも独立峰となりますので、高低差も大きく3日分位のハイキングを一日で走破する体力的には過酷なものになるのは間違いありません。

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 004. シビックプライドを支える山々
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