・ミステリー小説「つたなき遊歩」出版までの道のり

自分の影を追うようなストーリー
 自分の影を追っかけたような人生ストーリー

すいません、まずお詫びからです。今回は〝遊歩〟以前のお話しで、愚痴とそれが高じた、とんでもない愚案?妙案?を語ることになります。〝え?遊歩〟じゃないのならと思われた方は、速攻スルーしてください。

70歳を越えてからの仕事探しは、困難極まりない。平凡なスキルや前歴は大した役には立たない。

 ハローワークで70歳と入力して「バイト・パート」で求人を検索すると、返ってくる求人票の多くは、よくて60歳か5年延長雇用がある企業だ。60、65歳以上はダメですとはっきりと書けない建前があるゆえに、条件欄は「年齢不問」となっている。10社余ほどに応募をしてみたが全て不採用になった。(もちろん歳だけのことではないだろうが、多くは年齢的にはじかれた)
 そんな中でも、期間限定や時間制限のあるパートで70歳以上OKの求人がたまにある。「健康な方なら年齢不問」これぞ本当のシニア活力、人材再発掘の国の施策に沿うものなのだろうが、在住する地域(10〜15万の地方都市)では、職種が、警備・交通整理か清掃か、もしくは悪名高い介護に限られがちです。(悪名とは腰痛という職業病である)別にそういう仕事が嫌いではないが「高齢者にはキツイですよ」といわれ、すでに腰痛・膝痛のある私の選択肢から消えた。他の職種においても大なり小なりだろう。実際に今、勤めているバイトでは、一見、体力はなくても勤まるように思えたが、炎天下、風雨、極寒となれば、自分の体力で果たして継続していけるだろうかと自信がもてない。まあ、ぜいたくは言っておれないがこれが「人生100歳時代」の現実なのです。

定年前後の〝やってはいけない〟」(郡山史郎氏・著)の本帯にあったキャッチコピーは納得するものです。
・雇用延長で働く
・資格・勉強に時間とお金をつかう
・過去の人脈を探す


 これらみんなに バツがつけられている。ご本人もソニーの取締役を退任後の再就職の苦労したことから、自信のあったビジネススキルや前職のキャリヤが役に立たなかったこととをつづられている。そんなエリートビジネスマンでも苦労する70歳からの就職ですが、よほど希少な、特殊なスキルでない限りは、思惑通りには進まないようです。
 私の場合も同様で、凡庸な経験とスキルだけではハードルを超えられませんでした。はやり自分の中にある商品性を見つけ出すことしかありません。それが、そこそこの価値を持つコンテンツになるまで、何とかバイトで食いつなぐというのが目下の残されたか細い道筋と観念しています。DTP技術や画像処理という自負できていたスキルでも、進化スピードの速いこの時代にあっては、もう若い人には勝てるものではありません。ここはやはり、馬鹿みたいになって六甲山を歩き回っていた頃から、今に至るまで自分を支え続けてくれた〝遊歩〟というものに特化して、それをコンテンツ化するしかないだろうと思ってのチャレンジです。

第三の青春から第四の青春へ、前を向いた終活。


 自分自身にある、また、あったストーリーをコンテンツ化するために、新しいブログを立ち上げ、自伝的小説の執筆にもかかりました。この作業は、就活と同時に終活でもあります。人生の終わりを飾るものであり、終焉をソフトランディングさせるための作業と折り重なるものです。まず手をつけたのが、私自身の足跡を子ども達に残しておく。それも具体的な事実をつなげたものでなく、今まで生きてきた心気やプライド、拙くはあってもその想いを何らか分かってもらえるようにしておきたい。そして、自分を亡くした後の事後処理も混乱しないようエンディングメッセージとして、そこに書き込んでおくことにしました。
 旧ブログのタイトルが〝第三の青春〟でしたので、新ブログ「遊歩のススメ」も、〝第四の青春〟という位置つけで、決して後ろ向きな終活だけにはならないよう戒めている次第です。
 書き起こした自伝をミステリー仕立てにして一本の小説にまとめてみました。出来上がった後、すぐに、すばる新人賞の応募が目についたので〝もしかして〟と期待を込めて投稿しましましたが、案の定、第一次審査で見事に落選、いわゆる下読みで落とされた訳です。これが自分のもつコンテンツの現実的な価値なんだろうと、恨む前に現状認識を改めることになりました。小説家になる気はありませんが、確かにスキル的には無理があったようです。ブログ記事は数をこなしましたが、小説となれば別物です。書いている途中でも自分の表現能力の低さ、語彙の劣化や時代遅れのキーワードにイラつきました。齢70の限界なのでしょう。
 どの世界でもトップレベルなると、そのコンテンツに関わるところで非常に価値が急上昇します。世のムーブメントを起こすようなものでは、驚異的な価値を持つ訳です。「パイナップル アッポー」などがそんな極端な例です。そこまでいくと〝山を当てる〟ギャンブル的世界ですが、自分の落選を機に(実はもっと以前から)考えていたことがメラメラと、ふつふつと湧き上がってきました。

Uアイコン お知らせ
キンドル出版にて、
山端ぼう:著つたなき遊歩・ブラインドウォーカー」を出版いたしました。定価¥500

遊歩大全をバイブルとして六甲山を巡り歩いた老いた遊歩人とブラインドサイト(盲視)という不思議な能力をもつ全盲の青年とが、巻き起こすミステリアスな物語です。 全山縦走路、旧摩耶観光ホテル、徳川道、ツエンティクロスなど六甲山系の各所から、穂高岳連峰を舞台に目の離させない遊歩が展開します。 続きは・・・

自分のコンテンツ化、自身に商品化できるものがあるか?

 その〝アイデア〟というのは、「自身が持ちえているコンテンツの最適化」というものです。これが何モノかと言えば、前述した、ちょっとした芸が数億円の価値を産んだり、確かに素晴らしい芸術や人に無い才能に対して、数十億円とかの価値が付加されることがあります。現在の商業システムでは当然なことでしょうが、その反面「逆もあるでしょう?」という訴えです。
 世に出ていない多くの市井の人たち、その人々の中にもコンテンツとして売れるものがあるんじゃないだろうか。いや全ての人にあるはずです。特に焦点を当てたいのは、日々の生活に困っている人たち、心理・精神面で追い詰められているとかでなく、単純にお金の問題で苦労している人です。一番みぢかで見る・聞くパターンは、年金が少なく、なおかつ働けない高齢者です。(私の場合も近い)行政的な支援を受けるまでのことはないが、生活はギリギリ(本当は足りない)というカテゴリーで、あと数万円、2〜3万円でもあれば、どれだけ暮らしに一息つけるのに、という人や所帯が多くある。
 若い人なら働く場は、その気になって探せばガンバれる。働いても、まだ苦しいという人たちにも、自分たちが作ったものや見つけたものをコンテンツ化する手立て、フリマやネット販売などの手立てを使うこともできるが、そういうスキルや環境をもたない高齢者には、なかなか売れるようなコンテンツを自分の周りから探し出して商品化するのは難しい。

 ここでちょっと極端な例で誤解をうむのを承知で、例として〝自伝〟というもので考えてみましょう。これは誰もが必ず一つ持っている人生というストーリーです。これをコンテンツ化して価値をつけ売買するシステムがあれば、どうでしょうか? 但し、誤解がないように念をおしますが、その人が必死になって生きてきた人生そのものを評価しようという不遜なものではありません。それは、全く意味のないことです。ここでは、自分が生きてきたことを事実関係などにあまりとらわれずに、自分が生きてきた想いやプライドをストーリーにするだけです。波乱万丈もあれば、通り一遍の人生もあるでしょう。そんなことは問題ではありません。(見かけはどうあろうと、各自の中ではそれぞれに様々なものがうず巻いていたことを他人が推し量れるものではありません)結果的にそれがフィクションであっても良い訳です。そのお話しというコンテンツに価値をつけるだけです。

札束舞う山頂
何かコンテンツ化できるものがあるはずだ。

富の差を縮め コンテンツの価値の分散を

 素晴らしい文章で、感動や共感を生むようなものであれば、価値が上がりますし、ヘタな文章で平凡なものであれば価値は下がります。それは、そういう仕組みだと割り切りましょう。ここで何百万円というような価値を得られた方は、今ある現実のシステムでも十分評価されるでしょう。このシステムで大切なことは、現状でのシステムで「ゼロ」と評価されるものに、「ゼロでないプラスα」を見いだすことです。
「このおばあちゃんのストーリー、平凡でヘタくそだけど、20円で買っちゃう」的なプラスαです。実際、現状世界では、おそらく「ゼロ」でしかないものが「20円」になるとこです。あとは、このように評価した人たちが、100人、200人と「いいね!」するように集積されれば、それなりの金額がおばあちゃんに入ってくることになります。インスタグラムの〝人生ストーリー版〟みたいなものです。現実の商業システムでも価値がつきそうなものは、すぐに卒業してもらいます。おばあちゃんに良い書き手のお孫さんでもいれば、もっと高い値がつくかもしれません。人が持っているものをコンテンツ化するサポートシステムも構築していかなければなりません。
 これは、絵でも、書でも、手芸でも、生花でも何でも良い訳で、自分がもてるスキルを使ってできたもの。その作品にだれもが気軽に値をつけていくのです。売りたいけれど売れないし、売る場がない。自分の作品を大切に手元に置いておきたいという人も多いでしょうが、日々の暮らしのために糧に替えたいと思われている方もいるでしょう。困窮者の救いにもなれば言うことはありません。
 FBのマーク・ザッカーバーグみたいなイノベーターを待つか、各方面の賛同者を探してコツコツ拡げていくか、夢のようなシステムではありますが、貧富の差もさりながら、極端な〝価値の差〟をもう少し考えるべき時代だと思います。いくら素晴らしく、この世で無二の才能と言っても、たかが一個の人間の仕業です。一人で数百億円とか数百億ドルをもっててどうするものか。その価値を支えている無数の人たちが持っているコンテンツにも価値を分散させていくことが、これからの社会としても、文化としても求められることだと思います。みなさんいかがお考えでしょうか?

 このシステムの実現の前に、自分ストーリーに500円の価値をつけて、キンドル(KDP)システムに乗せてみました。一昔前なら、数百万かけて印刷本で自費出版という手順でしたが、幸いなことに、WEBの凡庸なスキルを持ち合わせていたこともあって、他人のサポート借りることなく、経費ゼロ円で出版することができました。後はどれほど読んでもらえるか、下駄を預けるばかりです。
(作ったが売れない。通り相場なんでしょう。誰かプロモーションできる方、ぜひ、ご協力くださいませ。)

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〝遊歩〟ハイキンググッズ10選・トイレ編

※その2、出したものは全て持ち帰る

山笑う、山滴る、山装う、山眠る

 このカテゴリーは、日本原産種の山芋・自然薯(自然生)生産団体に携わっていた頃の記事を中心に、折々のイベント、古き文人たちと山芋の関わりなどを歳時記風に記したものを集めています。

春山淡冶にして笑うが如し
夏山蒼翠にして滴るが如し
秋山明浄にして粧ふが如し
冬山惨淡として眠るが如し

春山淡冶にして笑うが如し

 山滴る季節、御縁の皆様方におかれましては・・・、と時候の挨拶にも使われる「山滴る」は俳句の季語でもあります。この言葉は中国、北宋(960年~1127年)の山水画家・郭煕の言葉で、「四時山」という漢詩が原典のようです。
日本では、正岡子規が初めて俳句に用いて夏の季語として使われるようになったとも言われています。因みに「山笑う」「山装う」「山眠る」もそれぞれ春、秋、冬の季語になっています。
 山を巡りその四季の風情を追い求める輩にとって、これほど簡潔でぴったりな言い表しには全く脱帽するところで、山の幸「自然薯(自然生)」にとっても、これはまさしく自らのフィールドを言い得て妙と納得するに違いありません。
 早春、地中で眠っていた山芋も、山面の萌えた感じ、淡冶(たんに)さに微笑んで、地上へ芽を押し上げて来きます。そして、この頃(夏)となれば、草木の瑞々しさが辺り一面に滴り、たっぷりの陽光を求めてツルを精一杯に伸ばし、葉を茂らし始めます。

夏山蒼翠にして滴るが如し


 そして、多くの植物がそうであるように、山芋たちも秋に向けて花を咲かせて実を付けます。その装いの秋になってからようやく地下では、芋部が太ってきます。冬への準備が始まるのです。たっぷり夏秋のエネルギーを栄養として蓄えます。
 太古より、人為的な栄養がない山中の腐葉土で育ってきたじねんじょう山芋は、栽培の畑でも同じく人為的な栄養や、有機でもあってもその栄養過剰を嫌います。水と光と空気というシンプルな三要素で、肥料なしでも逞しく育つのが本来の姿です。その野生の元気さが、外来のひ弱な野菜たちと違う所でしょうか。
 そして、準備を終えた山芋たちは、ツルを自ら切って地中で長い冬を眠って過ごすのですが、この当りで人間様やイノシシが都合良く登場して、その豊かな恵みをいただいてしまう訳です。ところが山掘り人もイノシシも心得たものです。ちゃんと春には芽が出るよう首部を残しておく知恵があります。
 イノシシの食い残し、ガリガリ齧られ傷ついた芋からでも、腐らず春には芽を出します。その元気さこそ、今日よく言われる健康機能性の素がぎっしり凝縮されている由縁なのでしょう。実に有難い植物です。

秋山明浄にして粧ふが如し
冬山惨淡として眠るが如し

 

■山芋人物歳時記 関連ログ(2021年追記)
小説「坊ちゃん」の正体・・・(弘中又一)
小説「吾輩は猫である」自然薯の値打ち(夏目漱石)
零余子蔓 滝のごとくにかかりけり(高浜虚子)
貴族・宮廷食「芋粥」って?(芥川龍之介)

貴族・宮廷食「芋粥」って?芥川龍之介

▲芥川龍之介と再現された「芋粥」

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 じぃさんが高野山の坊主だったせいもあって、「芋粥」と言えば、白粥にサツマイモを入れた粥を宿坊でよく喰わされたのを思い出す。(わたしは大好きやった)
てなこともあって、芥川龍之介「芋粥」って何なん?と、話が出た時も、子供の頃に寺でよく食べた、粗食の象徴のような坊主粥のイメージが真っ先に浮かんだ。

 しかし乍ら、原典となった平安時代の「今昔物語」の某五位(しがない中年役人)と山芋粥にまつわるお話では、いささか事情が違ってくる。この話の舞台は、サツモイモ(唐芋)が、大陸から列島にやってくる何百年も前の時代で、しかも、宮廷の超グルメコースの〆を飾る「珍味・佳味」の代表食・宮廷粥として登場してきますので、坊主の修行食の粥とは〝天と地〟ほど差のある別世界の代物です。

 芋は、大量生産が可能なサツマイモと違い、当時から〝珍味・佳味〟と重用された希少な天然の山芋(自然薯)を使用、それを刻んで、当時においてはこれまた貴重な甘味料であった甘葛(アマヅラ)で煮込んだものが、「万丈の君にも献上された」といわれる超高級スイーツ「イ・モ・ガ・ユ」である。坊主粥とは月とスッポンほどのステイタス差、さもありなん。

 何と!この幻の珍菓を再現した方が居る!?と驚くほどのことでもない。鎌倉時代の料理書『厨事類記』にもレシピが紹介されています。山芋を薄く切って、甘い汁でさっと煮るだけ、天然山芋やアマヅラらしき物もネットで仕入れる事ができる時代だし、腕の立つ調理人でなくても、料理下手の野郎でも雪平鍋さえあれば簡単に作れる代物です。 
 アマチャヅル葉のお茶を煮詰めたり、米飴や蜂蜜を代用したり、メープルシロップを使ったり、アマズラの代りにいろいろと甘味料を使って工夫はできるのものの、やはりそれぞれの甘さのもつ香り・風味は微妙に違うだろうし、自生の山芋がもつ野生的な山の風味とのマッチングを想像するに、やはり本物の「芋粥」を味わうには、これまた「アマヅラ」をその時代のやり方で再現するしかないでしょうがこれがまた大変な作業です。

 アマヅラはツタの樹液を煮詰めてシロップ状にした甘味料だそうだが、カエデの樹皮を傷つけて、そこから流れでる樹液を自然に摂ることが出来るメープルシロップと違って、ツタから「みせん」と呼ばれる樹液を集めるのはそう簡単ではありません。この液を抽出するために棒状に切ったツタの枝の片方を口でくわえ、息を吹き込むと反対側からじわっと液のしずくがこぼれてきます。この樹液を鍋一杯に集めるのに大変な労力が要るのです。一人でフーフー頑張っても何日かかるか分からない大変な作業。そしてこの集めた「みせん」をシロップ状に煮詰めてしまうと、わずか何十分の1の量にちじこんでしまう。(現代では生産性から考えて商品化は無理)
 この古代の貴重な甘味料「アマヅラ」の再現を試みた公開実験(奈良女子大)をネットで発見、大変さの詳細はこちらで

芋粥、食うべきか喰わざるべきか?

 話を小説「芋粥」に戻して・・・。

 才覚もなければ風采もあがらない、しがない中年の下級役人の五位の侍、日ごろ同僚からも馬鹿にされ、道で遊ぶ子供に罵られても笑ってごまかす、情けない日常を送っている。しかし、そんな彼にも、ひそかに持っているある夢がある。それが「芋粥を、いつか飽きるほど食べる!」というもの。
 ある集まりの際にふとその夢をつぶやき、その望みを耳にした藤原利仁が、「ならば私が、あきるほどご馳走しましょう」と申し出る。五位は戸惑いながらその申し出に応じ、利仁の館へ赴き、そこで用意された、大鍋に一杯の大量の芋粥を実際に目にして、五位はなぜか食欲が失せてしまうというストーリー。

 手の届かない時は羨望していたものが、いざ手の届く場所にきてしまうと、とたんに興味が薄れてしまう・・・。芥川によって軽妙に描かれたこの人間心理のカラクリ、現代においてもこの「幸福感・幸福観」はなんか胸をつくものですね。 

◼︎写真拝借/芋粥を作ってみた(アラフォーおひとり様DE漫遊記)

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■新ブログ・文人たちに見る〝遊歩〟(2021年追記)
解くすべもない戸惑いを背負う行乞流転の歩き(種田山頭火)
何時までも歩いていたいよう!(中原中也)
世界と通じ合うための一歩一歩(アルチュール・ランボオ
バックパッカー芭蕉・おくのほそ道にみる〝遊歩〟(松尾芭蕉)

秋山明浄にして粧ふが如し(むかご編)

▲山芋の蔓にぶら下がる子実・零余子(むかご)

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  秋山明浄にして粧ふが如し

 俳句での季語は「むかご」が中秋九月、「山芋」は晩秋十月となっていますが、実際のところは「むかご」は十月、「山芋」では十一月以降が収穫の最盛期となります。今回はこの「零余子(むかご・ぬかご)」についての四方山話を。

 山中だけでなく緑地や公園等などと案外と身近なところでも目にしている「むかご」ですが、風にあおられり、採ろうとするとポロリと落ちて藪や草むらにあっという間にきえてしまうとところから「幻の山菜」とも呼ばれています。本年は、秋が深まってから立て続けに台風が上陸しそうだというので、あたふたと収穫を急いだ農家さんも居たのではないでしょうか。
元々、収穫に手間取るところから作物というより、むかご飯など農家の賄い用に使うのがほとんどで、直売所にチラッと顔を出すことがあっても、一般の市場には出回ることがありませんでした。
 
 最近、料理研究家の枝元なほみさんが「チームむかご」を結成されて、この「むかご」を一般流通食材として、世に送り出そうと農家の方々を巻き込んだプロジェクトを発足。「むかご市場」などのユニークな活動を始められ、最近はやや認知度がアップしてきたようです。この零余子ですが古くから身近な山の幸として親しまれていたようで、多くの俳人・歌人に謳われています。江戸期を代表する俳諧たちの句にも夫々に登場しています。

 きくの露落て拾へばぬかごかな 芭蕉
 うれしさの箕にあまりたるむかご哉 蕪村
 汁鍋にゆさぶり落すぬか子哉 一茶

 明治に入って創作性を追求した正岡子規をはじめ、個人の生き生きした感性を謳歌する近代俳句が隆盛をきわめますが、その子規から門下生、大正・昭和にわたる数多くの俳人や物書き達の句にも表情豊かに「むかご」は登場しています。

 ほろほろとぬかごこぼるる垣根哉 子規
 黄葉して隠れ現る零余子哉 虚子
 野分あとの腹あたためむぬかご汁 石鼎
 零餘子もぐ笠紐ながき風情かな 蛇笏
 瓢箪に先きだち落つる零餘子かな 蛇笏
 笊のそこにすこしたまれる零余子かな 風生
 八千草のあさきにひろふ零余子かな 青畝

 中でも女流俳人の句には女性ならではのきめ細かい情感が感じられます。

 ぬかご拾ふ子よ父の事知る知らず かな女
 拾ひたむ庵の零余子や昨日今日 淡路女
 みがかれて櫃の古さよむかご飯 久女


 また、小説家の句にも顔を出しています。やはり彼の時代には、生活の身近な処に「零余子」が居てごく自然なモノとして親しまれていたようです。

 手一合零余子貰ふや秋の風 龍之介
 雨傘のこぼるる垣のむかごかな 犀星

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■人物歳時記 関連ログ(2021年追記)
小説「坊ちゃん」の正体・・・(弘中又一)
零余子蔓 滝のごとくにかかりけり(高浜虚子)
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「山うなぎ」食べること自体が仏道の実践である!?

自然薯のとろろで作る精進うなぎの蒲焼き

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 日本食がなぜ世界的に認められるのか?

 日本食が世界遺産に登録されこの誇らしい文化が、世界的にますます普及しつつあるのは嬉しい限りです。東洋の小さな島国の「食」が普遍的な評価をうける訳は、その長寿国の基となった健康食であることもさりながら、根幹の一つにある精進料理の精神性も大きい。

 精進料理の中に「もどき料理」がある。「雁もどき」はその典型的なレシピ名。精進うなぎ(山芋の蒲焼き)も同様で、山芋を摺りおろしたとろろを、皮に模した海苔にのせて揚げたり、焼いたりするとうなぎの蒲焼きに〝姿も味わいもよく似たもどき料理〟が簡単に出来上がります。〝自然薯など上質の山芋〟だと、味付けらしい味付けをしない、摺り下ろしただけの〝生とろろ〟からでも、それらしい風味・食感を堪能できます。山うなぎと言われるだけに当然ながら栄養価も高い。
 
 精進料理といえば、茶道の形に則した懐石料理と永平寺で道元が確立した禅の料理などが代表的ですが、共に奥深いというか、洗練が極まって単なる食文化にとどまらず芸術・哲学の領域へと高められている。絶妙たる日本文化の誇るべきところです。
1970年代に気鋭の料理人ボキューズたちが産み出した新しいフランス料理、世界中に爆発的に広まった「ヌーベル・キュイジーヌ」には、精進料理である懐石料理の多くのコンセプトが取り入れられています。

 和の伝統食が菜食中心の健康食という点だけに注目を浴びているのではなく、料理をすること、食べること自体が仏道の実践であるという禅の教えに暗に共感を与えている所も大きいでしょう。
 多様化、複雑化、情報化する現代生活でありますが、生き物として食材と向き合い、生命を同化する。考えればこれが生活の第一義である。グルメとか贅沢志向とかではなく、ピュアに食べ物と向き合い、シンプルに頂戴するのが精進の第一歩なのでしょう。と言っても、多くの凡人はついぞ肉っけについ惹かれてしまいます。”もどき”は煩悩のなせる愛すべきレシピなのです。

追加記事
 この記事を書いた翌朝(今朝)ニューヨークで「ゼン バーガー」という肉の代わりに大豆を使ったハンバーガーが大人気で大行列が出来ているニュースを見ました。アメリカ版もどき料理です。”ゼン”はもちろん”禅”のことです。

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■人物歳時記 関連ログ(2021年追記)
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【地域デザイン】周南まちづくりコンテスト発表!

 報告がおくれましたが、今月3日、徳山大学にて行われました「周南まちづくりコンテスト2013」一般の部最優秀賞の栄誉をいただき、その受賞式に参加してまいりました。
(※2022年4月に周南公立大学・地域共創センターに改編・改称)

嘘のようなホントの話し「ブチノミクス」で元気再生!

 今回、最優秀賞をいただきました「地域通貨 [Buchi] で周南の元気再生! 」はこのブログでも昨年に紹介しました道の駅でのプランの一つで、より具体的なイメージを添えて今回再提出したものです。ずばり周南版アベノミクスで「ブチノミクス」と命名させていただきました。
 まずは、当日のプレゼンで使いましたテキストを紹介させて下さい。イラストで紹介した循環図とプランの内容はA4で4ページにまとめたPDF(少し重い774k)にてご覧頂けましたら仕合せます。

  ●◯●◯● プレゼンテキスト ●◯ ●◯●

 フェイスブックの「地域通貨について考えるページ」でも紹介されていますように 日本の通過「円 (yen)」は造幣局で作られます。その印刷されたお金を、日銀が買い取るんですが、この日銀は実は一私業です。たしか資本金は1億円で従業員は5000人足らずのまあ株式会社みたいなものです。
(所有資産が他の会社と違って、100兆円を有に超えていますが。当然ですよね。)

 その日銀が 1万円札も、5千円札も、千円札も、ほぼ(印刷実費の)1枚20円で買い取り、それを額面の金額で日本政府に貸し出します。1万円札の場合、元手20円ですから利益は9,980円でなおかつ貸し付けですから利息も取ります。こんな濡れ手に泡のようなビジネスが許されると思いますか?あまりにも美味しい話しです。

 しかし、このリアルマネーに対抗して、ここ周南市でやろうというのが、「ブチノミクス」という嘘のようなプランです。

 ★このからくり(流通システム)の詳細は、資料・循環図.PDFを参考にして下さい。

 資料の中にある中期目標が上記の数字です。これはドイツ・バイエルン地方で、流通している地域通貨キームガウアーの2008年度の流通規模を「ブチ」に置き換えた数字です。ちなみにこのキームガウアーは地元高校の先生と生徒で2003年に立ち上げたものです。
 5年でこの規模、(運用益2000万円)に成長したことを考えると、決して周南市でも不可能なことではありません。地域通貨としては世界的に見ても大きな成功例の一つと言えるでしょう。
 財政危機で、ユーロが回らなくなったギリシャでは「テム」という地域通貨が脚光を浴びています。まだまだエリアは限られていますが、ユーロが無くても生活できる地域が生まれつつあります。

 また逆に失敗例も沢山あります。特に国内では、いろんな運用例がありますが、ほとんどは、まだまだ試行、実験という段階で、地域通貨のもつ素晴らしいプラス面が発揮された成功例にはまだ至っておりません。

今でしょ!地域通貨が必要なのは!

 日本でなぜ地域通貨が成功しないのか?その要因の一つには、現在の円というリアル通貨で然程「困っていないから」という指摘もあります。
 しかし、現実はグローバルな経済がどんどん進行して、予定されるTPPのような環境を考えると、これから果たして日本の地方社会、里山社会がどれだけ先細りせずに生き残っていけるのか? このまま手をこまねいていては厳しいものがあると思います。
 地域が自力で生き抜いていくには、地域の在り方をもう一度深く考え直す必要があります。その意識を全市民的に喚起させていく為にも「地域通貨」の取組みは絶好だと考えて、提案させていただきました。
 ご清聴ありがとうございます。(当日プレゼンテキストより)

【関連記事】
「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?

【道の駅詳細資料】
新設「道の駅」への提言(2012年度まちづくりプランPDF)
新設「道の駅」シミュレーション想定レポート(下記項目でPDF6ページ)
 ●周南お米コレクション
 ●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 ●こどもの駅
 ●周南新ツーリズム
 ●エコツーリズムの掘り起こし
 ●鮮度の高い情報発信
 ●防災ボランティアネットワークW
 ●ソーシャル・イノベーション

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【地域デザイン3】周南まちづくりコンテスト2013最優秀賞受賞!(地域通貨Buchi)
 【地域デザイン2】周南まちづくりコンテスト2012 応募資料No.1(道の駅ワッショイ)

精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉)

 昨日のゆの浴衣まつりの続き、湯野地区ツーリズムプラン紹介第2弾です。

 健康志向は、高齢化社会ー成熟社会の中で当然のうねりとして高まっていきますが、「運動」「リラクゼーション」「食事」それぞれの志向が見事に一体となるようなロケーションにはなかなか出会えません。
それと、最近は内向きの健康指向、極端に偏向した健康志向も見られて、精神の健全性が伴わないものが目につきます。有酸素運動が良いとばかりに脇目も振らず、下を向いて小走りするようなウォーキングをよく見かけます。これは目的のために本質を見失って、逆にストレスをためてしまう代表的なサンプルですが、歩くという行為は、大地の刺激を足の裏から受けたり、風や光、生き物など周囲の自然を感じながら、気ままに歩く(遊歩する)のが、自らの裡にある自然のリズムと感応して、精神のリラクゼーションにつながります。そういう心の解放が伴わない運動はどうしても心的ストレス解放には役立ちそうにはありません。

 「湯治」「食養」もしかりです。この湯に浸かれば身体に良い!とか「食べれば元気になる!」という一次的なモチベーションだけでは、それだけで終わってしまいます。広々とした癒しのロケーションの中で、自然と向き合った行為(良くいう心の洗濯ってやつですか)その心のリラクゼーションに繋がらないものは、私たちの現実生活で火照った心のストレスを上手くクールダウンさせてくれないでしょう。

 湯野地区には、磨けば輝く地域資源があふれています。地域資源が体験型エコツーリズム、グリーンカーテン、湯治型ツーリズムのそれぞれを充実させながら、上手く相乗して、湯野という里が「いやしの里」というロケーションを構え、地域イメージそのものが大きな観光資源となりたいものです。現況この地で事業されている介護・医療施設にはどうしても負の部分を感じさせます。これを正のイメージへと方向転換できるかもしれません。否、これはこれからの社会で必須の課題でしょう。この重苦しい命題を、開放的なイメージで支えてくれる開放感がここにはあるように思います。

●提案プラン2/癒しの里「ゆの」ヘルスツーリズムへの誘い

【現状】
湯野温泉郷は、前世紀には徳山の奥座敷と言われ、工業地帯の大企業の社用や接待を担う20世紀型の温泉保養地というイメージを払拭しえていない。文化施設の活用や足湯設置などの施策はあるものの、21世紀型の多様化する観光ニーズに対応するツーリズムの提唱と商品提供が十分ではない。
【コンセプト】
個別に点在している地域資源を「健康」というキーワードで結びつけることによって、湯野温泉郷を癒しの里「ゆの」という地域イメージを訴求し、健康志向の強い顧客層を県内~近県より呼び込む。
その契機となるべく健康維持増進の三大要素である「運動」「休養」「栄養」が集約的に体感・体験できるヘルスツーリズムを提唱、短~中期滞在型のツアー商品を提供する。
【概要】
「運動」体験は、湯野温泉地区に点在する史跡、文化財、足湯、坊ちゃん先生(弘中又一)の縁の地などを巡る里山ウォーク、集落を囲む低山ハイク、など遊歩・散策地に恵まれている。また、温泉郷の周囲には特産化が進むじねんじょう山芋(自然薯)の圃場が点在しており、秋冬には収穫体験(山芋掘り)、春には定植体験(植付け)、また通年を通じて貯蔵倉見学・調理体験などが可能である。
「休養」体験は、防長の5名湯に数えられる「湯野温泉」で安らぎ・いやしのリラクゼーション体験である。
泉質の「硫黄泉」は毛細血管拡張作用の効能で知られており「健康美人の湯」ともアピールされており、温泉ソムリエが提唱する「健康のための湯浴み」等のアドバイスを以て短期集中湯治体験を提供する。
「食養」体験は、古来より健康機能性に注目され、漢方などでも活用されている健康食材の自然生山芋(自然薯=この地ではじねんじょうと呼ぶ)はこの地で特産化され、この地から全国に出荷されている。この「じねんじょう」を使った健康山里料理による食養体験をこの地ならではの直産価格で提供する。

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか?

●第二回ゆの浴衣まつり

 昨年はじめて開催された「ゆの浴衣まつり」がこの20日に2回目を迎える。
先週、新しい足湯がリニューアルした県重文の「山田家本屋」でいやしコンサートが予定されている。癒しの灯籠を楽しむことができる「竹あかり小路」も酷暑を和らげてくれそうな予感がします。浴衣にまつわる催しも昨年同様いろいろ企画されて、しっとり夏の夕べを楽しめるイベントを味わえそうです。

 残念ながら、本年度「魅力ある観光地の再建・強化事業」には選ばれませんでしたが、もうそういう事業(湯野の総合的なツーリズム戦略として)を持続的に推進していける機運や人材が出揃ってきたようでこれからが楽しみです。
 次年度に向けても、この機に魅力ある観光地の再建・強化」のデザインコンセプトを提出しておきますので、ご参考いただければ仕合せます。プラン1は、エコツーリズムを土台にまとめてみました。 

●提案プラン1/歴史ロマンの里「ゆの」エコツーリズムへの誘い

【現状】
市域や県を含めても山岳を核にしたエコツーリズムへの取組みが遅れている。
山里・湯野温泉郷においても、周囲に点在する歴史や文化に彩られた低山は、地域資源としての価値を有していながら、地域全体の活性化に波及するようなツーリズムへの応用・活用がなされていない。

【コンセプト】
 「名山を生かす名湯、名湯を知らしめる名山」と山歩きと温泉は、絶妙・絶対の組み合わせであり、エコツーリズムにおいて欠かせない連携要素の一つである。
湯野温泉郷の周辺には、日帰りハイキングに親しまれるピークが点在しているが、未だ近県のハイカーへ向けた宿泊型の温泉~登山のツーリズムアピールがなされておらず、商品も開発されていない。
 地元有志で観光整備がすすむ黄金仏で話題の観音岳は、近年の歴史散策ブームもあって登山客と歴史探訪者が増え、近隣への認知度も高い。この観音岳をはじめ、周辺にも歴史・文化史跡に謂れある同様の低山が点在しており、湯野温泉郷をエコツーリズムの起点(ベースキャンプ化)とした地域アピールと対応商品でもって、宿泊型登山トレッキング客を九州各県や近畿圏より誘引する。
 晩餐などに関しては、健康機能性が古くから注目されているじねんじょう山芋(自然薯)の産地食べ尽くしを付加することで宿泊価値を向上させ、山芋の嗜好性が比較的高い北九州圏のユーザを誘引する。
【概要】
 3体で1セットと言われる「黄金仏」の1体を山頂から出土した観音岳は(残り2体は大峰山系にて発見)、平安時代の山岳宗教を想いを馳せるに十分な素材であり、東大寺再建に奔走した重源上人の行跡などと照らし合わせても、この地と近畿文化圏との関わりは大きい。この点は近畿圏ユーザには大きく訴求し得る。
 黄金仏を安置する登山道口の楞厳寺を起点とした複数のハイキングコースは密教的風景に溢れて、平安の山岳宗教をしのぶに十分である。
 昼食(じねんじょう山子弁当)を山頂で挟んで、下山後は、じねんじょう山芋畑の農業体験も可能であり、温泉郷に点在する史跡(山田家本屋、坊ちゃんモニュメント、足湯など)を巡る里山ハイクも可能。
 温泉三昧、じねんじょう山芋(自然薯)の産地食べ尽くしで夜を過ごして、翌日は、周辺の「城山」それらに西の大平山へ尾根で連なる大谷山、松尾山。温泉郷から南へ足を伸ばせば、旧海軍徳山警備隊・戸田特設見張所が山頂に置かれていた海の眺望に恵まれた「昇仙峰」、また東には戦国時代に毛利元就に滅ぼされた陶氏の城であった「若山」と低山ではあるが、平安から近世にいたる歴史の彩りを十分に味わうことができる。(添付マップを参照)

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
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 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
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 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
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●周南市道の駅:関連ログ/
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個人ブランド米 コレクションで売れるか!

個人ブランド米
田んぼごとにお米の価値は変動する

 前回に<休憩・交流エリア>の地域通貨「Buchi」の詳細説明をさせていただきましたが、今回、順番を戻して〈物販エリア〉〈周南Wコレクション〉)に訪れた時の体験レポートを掲載します。

〈シミュレーションレポート・物販エリア〉

 周南市の特産と言ってもすぐに思い浮かぶものはない。生鮮品や特産品売場も一見すれば、よくある「道の駅」とさほど変わった所はなさそうだが、よく見てみると商品一つ一つがとてもユニークで、売り方にも工夫が見える。「周南W コレクション100」のコーナーでは、来訪客がひと際足を留めてにぎわっている。このコーナーでは、何でもないモノが、何処でもあるようなモノが、ちょっと違った形で並べられており、買い物客の熱い注目を浴びている。例えば・・・・

●周南My米コレクション
 お米と言えば、よその道の駅では売場の片隅につまれた脇役のアイテムのはずだが、ここではずいぶん注目され、主役級になっている。この「お米コレクション」は、近隣生産者の個人ブランド米を、可愛い二合用の小さな米袋に入れてずら~と並べているのだが、その種類がとても豊富だ。周南市にはこんな数のブランド米があったっけと疑ってしまうほど種類がある。これだけで注目してしまうのだが、それぞれのお米袋にはユニークなネーニングやモノづくりの背景が一見して分かるようパネル展示を併せるなど工夫されて、目を引く仕上げとなっている。
 よく見てみると中には「無検査米」なるものもあって、等級も表示されていない。個人ブランド米のほとんどが、普通に作られたよくある品種のお米なのだが、こういうコレクション販売をすることで従来とは違った商品表情を作り出すことができているのだろう。

個人ブランド米

 「88 歳の爺ちゃんがニコニコ元気に作った/米寿米」というのがあったり、「コンビナートに囲まれた田んぼで育った/ド根性米」などと「観音岳の麓でとれた/黄金米」「ナベづると仲良しの/つるっと米」「山奥の棚田で育った/おたな米」などなど、それを見ているだけで周南市の数々の田んぼの風情が浮かんでくるから不思議だ。
生産者の顔や名前はもちろんそのお米を育んだ背景が上手く活用されている。米そのものよりその背景・風景を買ってみたいと思わせる。それだけではない、それらのコレクションをいくつか売場でチョイスしてセット売りしている。

個人ブランド米

 『うい~く7セット』は一週間のそれぞれ、その曜日にマッチしたレシピを付けて、なおかつその料理にあった品質のブランド米を合わせている。献立に悩む主婦が思わず手をだすような心憎い演出だ。 『棚田米セット』では、美しい周南市内の棚田風景を描いた絵はがきと組み合わさって、周南の棚田米の素晴らしさをアピールする演出で、十分に手みやげ・進物用に使えるようだ。お米をお土産にもらう経験がない私には、非常に新鮮に映った。
もちろん、気に入った個人ブランド米のどれをチョイスしても良い。5袋で750 円、計算すれば割高なのだが、楽しみながら買っていくようだ。もちろんそのお米の生産者との絆が生まれれば、その個人ブランド米は、ユーザーへ大袋で配送してくれるシステムもあったり至れり尽くせりだ。
 このお米コレクション市内近郊の生産者であれば誰でも、この道の駅の〈交流ターミナル室〉で簡単な手続きをすれば、個人ブランド米を登録・販売できる。業者に卸すより数倍の価格設定ができるし、何より道の駅のスタッフとモノづくりブランドづくりを楽しんでいくという競創が張り合いとなっているらしい。
 
●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 何処にでもある普通のお米が、こうしてブランド米として特産品になるなら、どんなものでもアイディア次第で売れるのだろうか。「周南あぜ道小石コレクション」なども企画されているらしい。田んぼの石ころを商品にしょうと考えているのだ。こうなると正に錬金術そのものだ。中でも注目すべきコレクションは「竹コレクション」
無尽蔵の資源ともいってよい竹を活用することができれば、頭の痛い竹害も減らせて一石何鳥ともなる妙案なのだが、その難題にここの「道の駅」は積極的に取り組んでいるらしい。
 県別では山口県は第三位、何千とある市町村別には周南市が全国ベスト13位らしい。(因に一位は下関市)ベストなのかワーストなのか、周南市は竹林王国らしいので、言わずとこれを資源化できれば、厄介な竹林がお宝の山へと変わってしまうというマジック。これには思わずガッテン!と手を打ってしまう。
 その道筋を示しているのが、TAKE プロジェクトの一環で、この道の駅の「竹コレクション」なのだろう。良質タケノコの生産から、商品のコレクション化、竹の加工品、竹炭、竹材ペレット、竹グルメ、竹文化を含めて、商品や情報がわんさかコレクションされており、事業推進のベースとなるような連携機能を存分に発揮している。

個人ブランド米

 そういえば、道の駅のワッショイ広場の遊具は竹製だった。子ども達が今までに無いような不思議なテンションで遊んでいたのもそのせいだろう。また広場の一角では、野外炊さん「ぽんぽら飯」が体験できるというので挑戦してみた。地元の山菜を使って竹筒で炊き込むのだが、竹筒や竹食器づくりからはじめるので、食育的にも工作的にも、子ども達には良い刺激になったようだ。
 この竹材は持ち帰り自由で、竹細工が堪能できる工房が解放されおり、大人がハマりそうな竹家具にも挑戦できたり、最終的には竹の家屋のプランも紹介されている。大いに周南の竹プロジェクトを盛り上げている。「竹といえば周南」素晴らしいブランドに成長しそうだ。
 (道の駅:疑似体験レポートはまだまだ続く)

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 004. シビックプライドを支える山々
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 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?

こどもの駅は、子ども達が創出する価値を「地域通貨 Buchi」で動かす!

 「周南まちづくりコンテスト2012」の資料部分(地域通貨「Buchi」)の補足説明をシミュレーション風に説明いたします。
資料は、〈物販エリア〉<休憩・交流エリア><ツーリズム発信エリア><連携・社会貢献エリア>各エリアを訪れた時の体験レポート風に描いています。
 その中でこども達が地域経済を押し上げていく?という<休憩・交流エリア>でのレポートがありますので、それを中心に紹介いたします。〈物販エリア〉での●周南お米コレクションなどは、折々に紹介させていただいていますので紹介は次回に、まずはレポートを!

〈シミュレーション(想定)レポート・休憩・交流エリア〉

 周南市の「道の駅・ワッショイ周南」が話題になっている。わが家から片道1時間以上かかるが、今までにない面白い「道の駅」だという評判が気にかかり、休日、家族を引き連れ立ち寄ってみた。周南市の特産と言ってもすぐに思い浮かぶものはない。生鮮品や特産品売場も一見すれば、よくある「道の駅」とさほど変わった所はなさそうだが、よく見てみると商品一つ一つがとてもユニークで、売り方にも工夫が見える。「周南W コレクション100」のコーナーでは、来訪客がひと際足を留めてにぎわっている。このコーナーでは、何でもないモノが、何処でもあるようなモノが、ちょっと違った形で並べられており、買い物客の熱い注目を浴びている。(コレクション紹介は中略)

●こどもの駅
 ワッショイ広場では、地元恒例のお祭りをはじめ、各種のイベントが開催されているそうだが、今日はワッショイ周南バザーがあるというので見て回った。
 このイベントもユニークで他の地域のものとは一味違う。家族連れに大いに注目され近郊からも、これを目当てに「道の駅」に何度も訪れてくるらしい。ここでは「こどもの駅」と言っても良いようなファミリーなスペースが形成されている。多世代間の交流と地域のふるさと文化継承を図る取り組みにも熱心だ。この活動を支えているのは「交流ターミナル室」の若いお母さん達中心のボランティア達らしい。モノづくりもそうだが、経済やエコ環境学習においても、しっかりとした作業や活動を通じた体験を子ども達に与えたいという考え強くあるようだ。
テーマパークで体験するお遊びのような疑似体験ではなく、実体験として子ども達が作る、大人達と作る。それを売ったり買ったりする。母さんと作った野菜や加工品、友達と作った手作りの玩具やゲーム等が並んでいる。余ったものを持ち寄るようなバザーとは、ひと味違うワッショイバザーが定期的に開催され、大いに注目を浴びている。

●地域通貨「Buchi」
 そして、このバザーで驚いたのは「Buchi」と呼ばれる地域通貨で子ども達がやり取りをしている光景だった。そして、この地域通貨「Buchi」はワッショイバザーの中だけではなく、なんと「道の駅」の物販コーナーでも一般のお金と同様に通用する。おそらくそこにもヒントがあったのだろう。一瞬、破綻のギリシャ経済を救うかと言われる地域通貨「テム」を思い浮かべた。
 後ほど調べてみると将来的には、市内の各地にある直売所や一般商店の加盟店でも使える本格的な地域通貨にするのだそうだが、拡がりようによっては、これが地域の実行経済を押し上げる力になる可能性もあるとのことだ。子ども達がGNP を押し上げるとは夢のある話だ。ともあれ、この地域通貨が「道の駅」に還流してくることは確かだし、人たちの交流・連携に弾みがつくことは間違いないだろう。

●周南キッズプロジェクトX
 「交流ターミナル室」では、「周南ブランドラボラトリー」との恊働で、なんと「周南キッズプロジェクトX」なる企画が進んでいるとも聞いた。この「道の駅」でやってきたスモールビジネスの育成を、子ども達の感覚で、新鮮な視線で一年をかけて体験してもらおうという企画で、学校単位、子供会、自治会単位の参加で毎年コンテストも開催、優秀なものには「道の駅」で商品化・販売されるという。まず、子ども達に次の5つのミッションが与えられる。

 1、資源を発掘せよ! 
 2、資源を生産せよ! 
 3、加工や調理にチャレンジ! 

 4、デザインしてみよう!
 5、さあ、販売だ!


 子ども達の身近なモノから資源を探し出して、ブランド化していく過程を体験させていくものだが、疑似体験ではなく、そのまま商品化され「道の駅」で並んでもおかしくないように実戦的なものにしたいとのことだ。周南の子ども達による6次産業化プロジェクト!大人顔負けのヒット商品が生まれるかも知れない。
 米や竹はもちろん一時に沢山実る柿や、雑草や枯れ葉まで、地域にある有形無形のモノを子ども達の目から見直してもらい、新しい価値を生み出すことへのチャレンジなのでしょうが、それよりもましてこのプロジェクトの素晴らしさはこのミッションを通じて、地域への愛着・誇りと言ったものを育んでいけること、地域の人々と深く触れ合えること、その側面がとても大きいようだ。世代間交流とシビックプライドの種を蒔くにはぴったりの取組みかもしれない。(疑似体験レポート中断)

多様な連携を紡いですそのを拡げる

 この想定レポートでは、バザーを起点にした形でさらっと描きましたが、地域通貨「Buchi」は、いろんな方面での有効活用が考えられる所です。次のチャンズで紹介する<連携・社会貢献エリア>に於ける●防災ボランティアネットワークWが「Buchi」の運用を担えば、(3%程の)活動資金が捻出できたり、一般ユーザも簡単にボランティア活動に参画できます。(最上図参照)

 ドイツの地域通貨の一つ「キームガウアー」をサンプルにして置き換えると、「道の駅」(交流ターミナル室)が発行する100BuchiをボランティアネットワークWが97円で購入します。差額の3円が活動資金となります。ボランティアネットワークWは、一般会員に100Buchi = 100円で提供します。入会時に※300Buchiを無料で配布してモチベーション向上の呼び水にします。
 例えば、ワッショイバザーの出店者からは、1,000Buchi1,300円にて購入してもらいます。※300Buchiは戻りますので、こどもを含めた多くの人に入会していただけます。エコやリサイクル活動のボランティアイベントで時間通貨としても配布できますので、そのBuchiを使うためにバザーへ訪問する人も増えます。また、ネットでも入会できるようにすれば、地域外からも訪問者が増える可能性が高いものとなります。バザーでは、一般通貨(円)と等価で共通に使いますが、それは「道の駅」内でも同様です。
 直売所やテナント入居者はBuchiの団体会員が原則で、ここでの売上げに使用された100Buchiは、交流ターミナル室が95円で両替します。この5%の手数料が、運営経費に充てられ、一部がボランティア活動資金へ回ります。

売上げ4億円、運用益2000万円も想定可能?

 この地域通貨を取り扱う企業会員、団体会員、行政会員を増やしていけば、市内観光スポットやグルメスポットへも流通していく訳です。交流ターミナル室で抄出される新ツーリズムの決済通貨となれば、市内観光事業への弾みともなり、さらに都市部中心街の商圏も巻き込んでイベントや販売に直結して流通を加速させることも可能です。案外と容易いかも知れません。
そうして市内を流通したBuchiは、「道の駅」へと還流してきます。地域通貨「キームガウアー」が流通している地域の人口は不明ですが、個人会員が約2000名企業会員は500件以上、30万キームガウアーが流通(約3000万円)売上は年間400万キームガウアー(約4億円)近く、運用益は2,000万円、その内3万5000ユーロ(約350万円)以上がNPOに寄付されている。(2008年度)という実績ですから、周南市域でも十分想定できる規模です。

会員への融資でさらに地域経済を活性化と連携の強化!

 もう一つ、財政危機にあえぐギリシャで、地域経済を救う切り札と注目されているボロスの地域通貨「テム(TEM)」は、さらに、会員への融資(上限は300TEM=30万円)も行っているので、ユーロがなくても生活ができる小さな経済圏が生まれつつあります。この融資機能も応用すれば、こどもの駅スペースやのバザーやキッズプロジェクトなどを利用して、こども達やママさん達、地域のリタイア組なども十分起業、商品開発・販売、いわゆる昔ながらの「小商い」の再生が可能です。大きな産業に分断されない持続可能な地域経済です。そして更にこの連動は、経済のみではなく、地域や人々とのかけがえのない連携を培うものなので、シビックプライド的にも非常に有効なものとなります。

 ■人と人をつなぎ相互交流を深めるリングとしての役割を持つ。
 ■価値観やある特定の関心事項を共有し、それを伝えていくメディアとしての側面を持つ。


 という「本来的な地域通貨の役目」を十二分に発揮できそうな地域通貨「Buchi」を是非、実現させたいものです。その舞台として「道の駅・ワッショイ周南」は最適のステージでしょう。

【補記】詳しいプランの内容紹介や反響等は追而掲載させていただきます。

新設「道の駅」への提言(2012年度まちづくりプランPDF)
新設「道の駅」シミュレーション想定レポート(下記項目でPDF6ページ)
 ●周南お米コレクション
 ●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 ●こどもの駅
 ●周南新ツーリズム
 ●エコツーリズムの掘り起こし
 ●鮮度の高い情報発信
 ●防災ボランティアネットワークW
 ●ソーシャル・イノベーション

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

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 【地域デザイン3】周南まちづくりコンテスト2013最優秀賞受賞!(地域通貨Buchi)
 【地域デザイン2】周南まちづくりコンテスト2012 応募資料No.1(道の駅ワッショイ)