【地域デザイン】周南まちづくりコンテスト発表!

 報告がおくれましたが、今月3日、徳山大学にて行われました「周南まちづくりコンテスト2013」一般の部最優秀賞の栄誉をいただき、その受賞式に参加してまいりました。
(※2022年4月に周南公立大学・地域共創センターに改編・改称)

嘘のようなホントの話し「ブチノミクス」で元気再生!

 今回、最優秀賞をいただきました「地域通貨 [Buchi] で周南の元気再生! 」はこのブログでも昨年に紹介しました道の駅でのプランの一つで、より具体的なイメージを添えて今回再提出したものです。ずばり周南版アベノミクスで「ブチノミクス」と命名させていただきました。
 まずは、当日のプレゼンで使いましたテキストを紹介させて下さい。イラストで紹介した循環図とプランの内容はA4で4ページにまとめたPDF(少し重い774k)にてご覧頂けましたら仕合せます。

  ●◯●◯● プレゼンテキスト ●◯ ●◯●

 フェイスブックの「地域通貨について考えるページ」でも紹介されていますように 日本の通過「円 (yen)」は造幣局で作られます。その印刷されたお金を、日銀が買い取るんですが、この日銀は実は一私業です。たしか資本金は1億円で従業員は5000人足らずのまあ株式会社みたいなものです。
(所有資産が他の会社と違って、100兆円を有に超えていますが。当然ですよね。)

 その日銀が 1万円札も、5千円札も、千円札も、ほぼ(印刷実費の)1枚20円で買い取り、それを額面の金額で日本政府に貸し出します。1万円札の場合、元手20円ですから利益は9,980円でなおかつ貸し付けですから利息も取ります。こんな濡れ手に泡のようなビジネスが許されると思いますか?あまりにも美味しい話しです。

 しかし、このリアルマネーに対抗して、ここ周南市でやろうというのが、「ブチノミクス」という嘘のようなプランです。

 ★このからくり(流通システム)の詳細は、資料・循環図.PDFを参考にして下さい。

 資料の中にある中期目標が上記の数字です。これはドイツ・バイエルン地方で、流通している地域通貨キームガウアーの2008年度の流通規模を「ブチ」に置き換えた数字です。ちなみにこのキームガウアーは地元高校の先生と生徒で2003年に立ち上げたものです。
 5年でこの規模、(運用益2000万円)に成長したことを考えると、決して周南市でも不可能なことではありません。地域通貨としては世界的に見ても大きな成功例の一つと言えるでしょう。
 財政危機で、ユーロが回らなくなったギリシャでは「テム」という地域通貨が脚光を浴びています。まだまだエリアは限られていますが、ユーロが無くても生活できる地域が生まれつつあります。

 また逆に失敗例も沢山あります。特に国内では、いろんな運用例がありますが、ほとんどは、まだまだ試行、実験という段階で、地域通貨のもつ素晴らしいプラス面が発揮された成功例にはまだ至っておりません。

今でしょ!地域通貨が必要なのは!

 日本でなぜ地域通貨が成功しないのか?その要因の一つには、現在の円というリアル通貨で然程「困っていないから」という指摘もあります。
 しかし、現実はグローバルな経済がどんどん進行して、予定されるTPPのような環境を考えると、これから果たして日本の地方社会、里山社会がどれだけ先細りせずに生き残っていけるのか? このまま手をこまねいていては厳しいものがあると思います。
 地域が自力で生き抜いていくには、地域の在り方をもう一度深く考え直す必要があります。その意識を全市民的に喚起させていく為にも「地域通貨」の取組みは絶好だと考えて、提案させていただきました。
 ご清聴ありがとうございます。(当日プレゼンテキストより)

【関連記事】
「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?

【道の駅詳細資料】
新設「道の駅」への提言(2012年度まちづくりプランPDF)
新設「道の駅」シミュレーション想定レポート(下記項目でPDF6ページ)
 ●周南お米コレクション
 ●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 ●こどもの駅
 ●周南新ツーリズム
 ●エコツーリズムの掘り起こし
 ●鮮度の高い情報発信
 ●防災ボランティアネットワークW
 ●ソーシャル・イノベーション

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【地域デザイン3】周南まちづくりコンテスト2013最優秀賞受賞!(地域通貨Buchi)
 【地域デザイン2】周南まちづくりコンテスト2012 応募資料No.1(道の駅ワッショイ)

精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉)

 昨日のゆの浴衣まつりの続き、湯野地区ツーリズムプラン紹介第2弾です。

 健康志向は、高齢化社会ー成熟社会の中で当然のうねりとして高まっていきますが、「運動」「リラクゼーション」「食事」それぞれの志向が見事に一体となるようなロケーションにはなかなか出会えません。
それと、最近は内向きの健康指向、極端に偏向した健康志向も見られて、精神の健全性が伴わないものが目につきます。有酸素運動が良いとばかりに脇目も振らず、下を向いて小走りするようなウォーキングをよく見かけます。これは目的のために本質を見失って、逆にストレスをためてしまう代表的なサンプルですが、歩くという行為は、大地の刺激を足の裏から受けたり、風や光、生き物など周囲の自然を感じながら、気ままに歩く(遊歩する)のが、自らの裡にある自然のリズムと感応して、精神のリラクゼーションにつながります。そういう心の解放が伴わない運動はどうしても心的ストレス解放には役立ちそうにはありません。

 「湯治」「食養」もしかりです。この湯に浸かれば身体に良い!とか「食べれば元気になる!」という一次的なモチベーションだけでは、それだけで終わってしまいます。広々とした癒しのロケーションの中で、自然と向き合った行為(良くいう心の洗濯ってやつですか)その心のリラクゼーションに繋がらないものは、私たちの現実生活で火照った心のストレスを上手くクールダウンさせてくれないでしょう。

 湯野地区には、磨けば輝く地域資源があふれています。地域資源が体験型エコツーリズム、グリーンカーテン、湯治型ツーリズムのそれぞれを充実させながら、上手く相乗して、湯野という里が「いやしの里」というロケーションを構え、地域イメージそのものが大きな観光資源となりたいものです。現況この地で事業されている介護・医療施設にはどうしても負の部分を感じさせます。これを正のイメージへと方向転換できるかもしれません。否、これはこれからの社会で必須の課題でしょう。この重苦しい命題を、開放的なイメージで支えてくれる開放感がここにはあるように思います。

●提案プラン2/癒しの里「ゆの」ヘルスツーリズムへの誘い

【現状】
湯野温泉郷は、前世紀には徳山の奥座敷と言われ、工業地帯の大企業の社用や接待を担う20世紀型の温泉保養地というイメージを払拭しえていない。文化施設の活用や足湯設置などの施策はあるものの、21世紀型の多様化する観光ニーズに対応するツーリズムの提唱と商品提供が十分ではない。
【コンセプト】
個別に点在している地域資源を「健康」というキーワードで結びつけることによって、湯野温泉郷を癒しの里「ゆの」という地域イメージを訴求し、健康志向の強い顧客層を県内~近県より呼び込む。
その契機となるべく健康維持増進の三大要素である「運動」「休養」「栄養」が集約的に体感・体験できるヘルスツーリズムを提唱、短~中期滞在型のツアー商品を提供する。
【概要】
「運動」体験は、湯野温泉地区に点在する史跡、文化財、足湯、坊ちゃん先生(弘中又一)の縁の地などを巡る里山ウォーク、集落を囲む低山ハイク、など遊歩・散策地に恵まれている。また、温泉郷の周囲には特産化が進むじねんじょう山芋(自然薯)の圃場が点在しており、秋冬には収穫体験(山芋掘り)、春には定植体験(植付け)、また通年を通じて貯蔵倉見学・調理体験などが可能である。
「休養」体験は、防長の5名湯に数えられる「湯野温泉」で安らぎ・いやしのリラクゼーション体験である。
泉質の「硫黄泉」は毛細血管拡張作用の効能で知られており「健康美人の湯」ともアピールされており、温泉ソムリエが提唱する「健康のための湯浴み」等のアドバイスを以て短期集中湯治体験を提供する。
「食養」体験は、古来より健康機能性に注目され、漢方などでも活用されている健康食材の自然生山芋(自然薯=この地ではじねんじょうと呼ぶ)はこの地で特産化され、この地から全国に出荷されている。この「じねんじょう」を使った健康山里料理による食養体験をこの地ならではの直産価格で提供する。

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
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 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか?

●第二回ゆの浴衣まつり

 昨年はじめて開催された「ゆの浴衣まつり」がこの20日に2回目を迎える。
先週、新しい足湯がリニューアルした県重文の「山田家本屋」でいやしコンサートが予定されている。癒しの灯籠を楽しむことができる「竹あかり小路」も酷暑を和らげてくれそうな予感がします。浴衣にまつわる催しも昨年同様いろいろ企画されて、しっとり夏の夕べを楽しめるイベントを味わえそうです。

 残念ながら、本年度「魅力ある観光地の再建・強化事業」には選ばれませんでしたが、もうそういう事業(湯野の総合的なツーリズム戦略として)を持続的に推進していける機運や人材が出揃ってきたようでこれからが楽しみです。
 次年度に向けても、この機に魅力ある観光地の再建・強化」のデザインコンセプトを提出しておきますので、ご参考いただければ仕合せます。プラン1は、エコツーリズムを土台にまとめてみました。 

●提案プラン1/歴史ロマンの里「ゆの」エコツーリズムへの誘い

【現状】
市域や県を含めても山岳を核にしたエコツーリズムへの取組みが遅れている。
山里・湯野温泉郷においても、周囲に点在する歴史や文化に彩られた低山は、地域資源としての価値を有していながら、地域全体の活性化に波及するようなツーリズムへの応用・活用がなされていない。

【コンセプト】
 「名山を生かす名湯、名湯を知らしめる名山」と山歩きと温泉は、絶妙・絶対の組み合わせであり、エコツーリズムにおいて欠かせない連携要素の一つである。
湯野温泉郷の周辺には、日帰りハイキングに親しまれるピークが点在しているが、未だ近県のハイカーへ向けた宿泊型の温泉~登山のツーリズムアピールがなされておらず、商品も開発されていない。
 地元有志で観光整備がすすむ黄金仏で話題の観音岳は、近年の歴史散策ブームもあって登山客と歴史探訪者が増え、近隣への認知度も高い。この観音岳をはじめ、周辺にも歴史・文化史跡に謂れある同様の低山が点在しており、湯野温泉郷をエコツーリズムの起点(ベースキャンプ化)とした地域アピールと対応商品でもって、宿泊型登山トレッキング客を九州各県や近畿圏より誘引する。
 晩餐などに関しては、健康機能性が古くから注目されているじねんじょう山芋(自然薯)の産地食べ尽くしを付加することで宿泊価値を向上させ、山芋の嗜好性が比較的高い北九州圏のユーザを誘引する。
【概要】
 3体で1セットと言われる「黄金仏」の1体を山頂から出土した観音岳は(残り2体は大峰山系にて発見)、平安時代の山岳宗教を想いを馳せるに十分な素材であり、東大寺再建に奔走した重源上人の行跡などと照らし合わせても、この地と近畿文化圏との関わりは大きい。この点は近畿圏ユーザには大きく訴求し得る。
 黄金仏を安置する登山道口の楞厳寺を起点とした複数のハイキングコースは密教的風景に溢れて、平安の山岳宗教をしのぶに十分である。
 昼食(じねんじょう山子弁当)を山頂で挟んで、下山後は、じねんじょう山芋畑の農業体験も可能であり、温泉郷に点在する史跡(山田家本屋、坊ちゃんモニュメント、足湯など)を巡る里山ハイクも可能。
 温泉三昧、じねんじょう山芋(自然薯)の産地食べ尽くしで夜を過ごして、翌日は、周辺の「城山」それらに西の大平山へ尾根で連なる大谷山、松尾山。温泉郷から南へ足を伸ばせば、旧海軍徳山警備隊・戸田特設見張所が山頂に置かれていた海の眺望に恵まれた「昇仙峰」、また東には戦国時代に毛利元就に滅ぼされた陶氏の城であった「若山」と低山ではあるが、平安から近世にいたる歴史の彩りを十分に味わうことができる。(添付マップを参照)

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
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 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

個人ブランド米 コレクションで売れるか!

個人ブランド米
田んぼごとにお米の価値は変動する

 前回に<休憩・交流エリア>の地域通貨「Buchi」の詳細説明をさせていただきましたが、今回、順番を戻して〈物販エリア〉〈周南Wコレクション〉)に訪れた時の体験レポートを掲載します。

〈シミュレーションレポート・物販エリア〉

 周南市の特産と言ってもすぐに思い浮かぶものはない。生鮮品や特産品売場も一見すれば、よくある「道の駅」とさほど変わった所はなさそうだが、よく見てみると商品一つ一つがとてもユニークで、売り方にも工夫が見える。「周南W コレクション100」のコーナーでは、来訪客がひと際足を留めてにぎわっている。このコーナーでは、何でもないモノが、何処でもあるようなモノが、ちょっと違った形で並べられており、買い物客の熱い注目を浴びている。例えば・・・・

●周南My米コレクション
 お米と言えば、よその道の駅では売場の片隅につまれた脇役のアイテムのはずだが、ここではずいぶん注目され、主役級になっている。この「お米コレクション」は、近隣生産者の個人ブランド米を、可愛い二合用の小さな米袋に入れてずら~と並べているのだが、その種類がとても豊富だ。周南市にはこんな数のブランド米があったっけと疑ってしまうほど種類がある。これだけで注目してしまうのだが、それぞれのお米袋にはユニークなネーニングやモノづくりの背景が一見して分かるようパネル展示を併せるなど工夫されて、目を引く仕上げとなっている。
 よく見てみると中には「無検査米」なるものもあって、等級も表示されていない。個人ブランド米のほとんどが、普通に作られたよくある品種のお米なのだが、こういうコレクション販売をすることで従来とは違った商品表情を作り出すことができているのだろう。

個人ブランド米

 「88 歳の爺ちゃんがニコニコ元気に作った/米寿米」というのがあったり、「コンビナートに囲まれた田んぼで育った/ド根性米」などと「観音岳の麓でとれた/黄金米」「ナベづると仲良しの/つるっと米」「山奥の棚田で育った/おたな米」などなど、それを見ているだけで周南市の数々の田んぼの風情が浮かんでくるから不思議だ。
生産者の顔や名前はもちろんそのお米を育んだ背景が上手く活用されている。米そのものよりその背景・風景を買ってみたいと思わせる。それだけではない、それらのコレクションをいくつか売場でチョイスしてセット売りしている。

個人ブランド米

 『うい~く7セット』は一週間のそれぞれ、その曜日にマッチしたレシピを付けて、なおかつその料理にあった品質のブランド米を合わせている。献立に悩む主婦が思わず手をだすような心憎い演出だ。 『棚田米セット』では、美しい周南市内の棚田風景を描いた絵はがきと組み合わさって、周南の棚田米の素晴らしさをアピールする演出で、十分に手みやげ・進物用に使えるようだ。お米をお土産にもらう経験がない私には、非常に新鮮に映った。
もちろん、気に入った個人ブランド米のどれをチョイスしても良い。5袋で750 円、計算すれば割高なのだが、楽しみながら買っていくようだ。もちろんそのお米の生産者との絆が生まれれば、その個人ブランド米は、ユーザーへ大袋で配送してくれるシステムもあったり至れり尽くせりだ。
 このお米コレクション市内近郊の生産者であれば誰でも、この道の駅の〈交流ターミナル室〉で簡単な手続きをすれば、個人ブランド米を登録・販売できる。業者に卸すより数倍の価格設定ができるし、何より道の駅のスタッフとモノづくりブランドづくりを楽しんでいくという競創が張り合いとなっているらしい。
 
●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 何処にでもある普通のお米が、こうしてブランド米として特産品になるなら、どんなものでもアイディア次第で売れるのだろうか。「周南あぜ道小石コレクション」なども企画されているらしい。田んぼの石ころを商品にしょうと考えているのだ。こうなると正に錬金術そのものだ。中でも注目すべきコレクションは「竹コレクション」
無尽蔵の資源ともいってよい竹を活用することができれば、頭の痛い竹害も減らせて一石何鳥ともなる妙案なのだが、その難題にここの「道の駅」は積極的に取り組んでいるらしい。
 県別では山口県は第三位、何千とある市町村別には周南市が全国ベスト13位らしい。(因に一位は下関市)ベストなのかワーストなのか、周南市は竹林王国らしいので、言わずとこれを資源化できれば、厄介な竹林がお宝の山へと変わってしまうというマジック。これには思わずガッテン!と手を打ってしまう。
 その道筋を示しているのが、TAKE プロジェクトの一環で、この道の駅の「竹コレクション」なのだろう。良質タケノコの生産から、商品のコレクション化、竹の加工品、竹炭、竹材ペレット、竹グルメ、竹文化を含めて、商品や情報がわんさかコレクションされており、事業推進のベースとなるような連携機能を存分に発揮している。

個人ブランド米

 そういえば、道の駅のワッショイ広場の遊具は竹製だった。子ども達が今までに無いような不思議なテンションで遊んでいたのもそのせいだろう。また広場の一角では、野外炊さん「ぽんぽら飯」が体験できるというので挑戦してみた。地元の山菜を使って竹筒で炊き込むのだが、竹筒や竹食器づくりからはじめるので、食育的にも工作的にも、子ども達には良い刺激になったようだ。
 この竹材は持ち帰り自由で、竹細工が堪能できる工房が解放されおり、大人がハマりそうな竹家具にも挑戦できたり、最終的には竹の家屋のプランも紹介されている。大いに周南の竹プロジェクトを盛り上げている。「竹といえば周南」素晴らしいブランドに成長しそうだ。
 (道の駅:疑似体験レポートはまだまだ続く)

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?

こどもの駅は、子ども達が創出する価値を「地域通貨 Buchi」で動かす!

 「周南まちづくりコンテスト2012」の資料部分(地域通貨「Buchi」)の補足説明をシミュレーション風に説明いたします。
資料は、〈物販エリア〉<休憩・交流エリア><ツーリズム発信エリア><連携・社会貢献エリア>各エリアを訪れた時の体験レポート風に描いています。
 その中でこども達が地域経済を押し上げていく?という<休憩・交流エリア>でのレポートがありますので、それを中心に紹介いたします。〈物販エリア〉での●周南お米コレクションなどは、折々に紹介させていただいていますので紹介は次回に、まずはレポートを!

〈シミュレーション(想定)レポート・休憩・交流エリア〉

 周南市の「道の駅・ワッショイ周南」が話題になっている。わが家から片道1時間以上かかるが、今までにない面白い「道の駅」だという評判が気にかかり、休日、家族を引き連れ立ち寄ってみた。周南市の特産と言ってもすぐに思い浮かぶものはない。生鮮品や特産品売場も一見すれば、よくある「道の駅」とさほど変わった所はなさそうだが、よく見てみると商品一つ一つがとてもユニークで、売り方にも工夫が見える。「周南W コレクション100」のコーナーでは、来訪客がひと際足を留めてにぎわっている。このコーナーでは、何でもないモノが、何処でもあるようなモノが、ちょっと違った形で並べられており、買い物客の熱い注目を浴びている。(コレクション紹介は中略)

●こどもの駅
 ワッショイ広場では、地元恒例のお祭りをはじめ、各種のイベントが開催されているそうだが、今日はワッショイ周南バザーがあるというので見て回った。
 このイベントもユニークで他の地域のものとは一味違う。家族連れに大いに注目され近郊からも、これを目当てに「道の駅」に何度も訪れてくるらしい。ここでは「こどもの駅」と言っても良いようなファミリーなスペースが形成されている。多世代間の交流と地域のふるさと文化継承を図る取り組みにも熱心だ。この活動を支えているのは「交流ターミナル室」の若いお母さん達中心のボランティア達らしい。モノづくりもそうだが、経済やエコ環境学習においても、しっかりとした作業や活動を通じた体験を子ども達に与えたいという考え強くあるようだ。
テーマパークで体験するお遊びのような疑似体験ではなく、実体験として子ども達が作る、大人達と作る。それを売ったり買ったりする。母さんと作った野菜や加工品、友達と作った手作りの玩具やゲーム等が並んでいる。余ったものを持ち寄るようなバザーとは、ひと味違うワッショイバザーが定期的に開催され、大いに注目を浴びている。

●地域通貨「Buchi」
 そして、このバザーで驚いたのは「Buchi」と呼ばれる地域通貨で子ども達がやり取りをしている光景だった。そして、この地域通貨「Buchi」はワッショイバザーの中だけではなく、なんと「道の駅」の物販コーナーでも一般のお金と同様に通用する。おそらくそこにもヒントがあったのだろう。一瞬、破綻のギリシャ経済を救うかと言われる地域通貨「テム」を思い浮かべた。
 後ほど調べてみると将来的には、市内の各地にある直売所や一般商店の加盟店でも使える本格的な地域通貨にするのだそうだが、拡がりようによっては、これが地域の実行経済を押し上げる力になる可能性もあるとのことだ。子ども達がGNP を押し上げるとは夢のある話だ。ともあれ、この地域通貨が「道の駅」に還流してくることは確かだし、人たちの交流・連携に弾みがつくことは間違いないだろう。

●周南キッズプロジェクトX
 「交流ターミナル室」では、「周南ブランドラボラトリー」との恊働で、なんと「周南キッズプロジェクトX」なる企画が進んでいるとも聞いた。この「道の駅」でやってきたスモールビジネスの育成を、子ども達の感覚で、新鮮な視線で一年をかけて体験してもらおうという企画で、学校単位、子供会、自治会単位の参加で毎年コンテストも開催、優秀なものには「道の駅」で商品化・販売されるという。まず、子ども達に次の5つのミッションが与えられる。

 1、資源を発掘せよ! 
 2、資源を生産せよ! 
 3、加工や調理にチャレンジ! 

 4、デザインしてみよう!
 5、さあ、販売だ!


 子ども達の身近なモノから資源を探し出して、ブランド化していく過程を体験させていくものだが、疑似体験ではなく、そのまま商品化され「道の駅」で並んでもおかしくないように実戦的なものにしたいとのことだ。周南の子ども達による6次産業化プロジェクト!大人顔負けのヒット商品が生まれるかも知れない。
 米や竹はもちろん一時に沢山実る柿や、雑草や枯れ葉まで、地域にある有形無形のモノを子ども達の目から見直してもらい、新しい価値を生み出すことへのチャレンジなのでしょうが、それよりもましてこのプロジェクトの素晴らしさはこのミッションを通じて、地域への愛着・誇りと言ったものを育んでいけること、地域の人々と深く触れ合えること、その側面がとても大きいようだ。世代間交流とシビックプライドの種を蒔くにはぴったりの取組みかもしれない。(疑似体験レポート中断)

多様な連携を紡いですそのを拡げる

 この想定レポートでは、バザーを起点にした形でさらっと描きましたが、地域通貨「Buchi」は、いろんな方面での有効活用が考えられる所です。次のチャンズで紹介する<連携・社会貢献エリア>に於ける●防災ボランティアネットワークWが「Buchi」の運用を担えば、(3%程の)活動資金が捻出できたり、一般ユーザも簡単にボランティア活動に参画できます。(最上図参照)

 ドイツの地域通貨の一つ「キームガウアー」をサンプルにして置き換えると、「道の駅」(交流ターミナル室)が発行する100BuchiをボランティアネットワークWが97円で購入します。差額の3円が活動資金となります。ボランティアネットワークWは、一般会員に100Buchi = 100円で提供します。入会時に※300Buchiを無料で配布してモチベーション向上の呼び水にします。
 例えば、ワッショイバザーの出店者からは、1,000Buchi1,300円にて購入してもらいます。※300Buchiは戻りますので、こどもを含めた多くの人に入会していただけます。エコやリサイクル活動のボランティアイベントで時間通貨としても配布できますので、そのBuchiを使うためにバザーへ訪問する人も増えます。また、ネットでも入会できるようにすれば、地域外からも訪問者が増える可能性が高いものとなります。バザーでは、一般通貨(円)と等価で共通に使いますが、それは「道の駅」内でも同様です。
 直売所やテナント入居者はBuchiの団体会員が原則で、ここでの売上げに使用された100Buchiは、交流ターミナル室が95円で両替します。この5%の手数料が、運営経費に充てられ、一部がボランティア活動資金へ回ります。

売上げ4億円、運用益2000万円も想定可能?

 この地域通貨を取り扱う企業会員、団体会員、行政会員を増やしていけば、市内観光スポットやグルメスポットへも流通していく訳です。交流ターミナル室で抄出される新ツーリズムの決済通貨となれば、市内観光事業への弾みともなり、さらに都市部中心街の商圏も巻き込んでイベントや販売に直結して流通を加速させることも可能です。案外と容易いかも知れません。
そうして市内を流通したBuchiは、「道の駅」へと還流してきます。地域通貨「キームガウアー」が流通している地域の人口は不明ですが、個人会員が約2000名企業会員は500件以上、30万キームガウアーが流通(約3000万円)売上は年間400万キームガウアー(約4億円)近く、運用益は2,000万円、その内3万5000ユーロ(約350万円)以上がNPOに寄付されている。(2008年度)という実績ですから、周南市域でも十分想定できる規模です。

会員への融資でさらに地域経済を活性化と連携の強化!

 もう一つ、財政危機にあえぐギリシャで、地域経済を救う切り札と注目されているボロスの地域通貨「テム(TEM)」は、さらに、会員への融資(上限は300TEM=30万円)も行っているので、ユーロがなくても生活ができる小さな経済圏が生まれつつあります。この融資機能も応用すれば、こどもの駅スペースやのバザーやキッズプロジェクトなどを利用して、こども達やママさん達、地域のリタイア組なども十分起業、商品開発・販売、いわゆる昔ながらの「小商い」の再生が可能です。大きな産業に分断されない持続可能な地域経済です。そして更にこの連動は、経済のみではなく、地域や人々とのかけがえのない連携を培うものなので、シビックプライド的にも非常に有効なものとなります。

 ■人と人をつなぎ相互交流を深めるリングとしての役割を持つ。
 ■価値観やある特定の関心事項を共有し、それを伝えていくメディアとしての側面を持つ。


 という「本来的な地域通貨の役目」を十二分に発揮できそうな地域通貨「Buchi」を是非、実現させたいものです。その舞台として「道の駅・ワッショイ周南」は最適のステージでしょう。

【補記】詳しいプランの内容紹介や反響等は追而掲載させていただきます。

新設「道の駅」への提言(2012年度まちづくりプランPDF)
新設「道の駅」シミュレーション想定レポート(下記項目でPDF6ページ)
 ●周南お米コレクション
 ●TAKE プロジェクト(竹コレクション)
 ●こどもの駅
 ●周南新ツーリズム
 ●エコツーリズムの掘り起こし
 ●鮮度の高い情報発信
 ●防災ボランティアネットワークW
 ●ソーシャル・イノベーション

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【地域デザイン3】周南まちづくりコンテスト2013最優秀賞受賞!(地域通貨Buchi)
 【地域デザイン2】周南まちづくりコンテスト2012 応募資料No.1(道の駅ワッショイ)

新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」

交流・情報のターミナル化によって創発する新産業のイノベーション基地

 毎年、徳山大学で行われている「周南まちづくりコンテスト」は今年で3回目となります。一回目は中山間地の振興が、前回はスポーツを活用した活性化、そして、本年のテーマは「周南市域の経済・産業再生プラン」。となれば、「道の駅」をネタにした周南デザインのプランを応募しておくのも、市や関係者の方々への側面支援となるものと思い、バタバタと提案書をまとめてみました。基本的な考え方は、地域ブランド研究会で皆さんと話し合った内容も下敷きにしており、個人的に応募するのは憚られましたが、この辺りで「道の駅」の全体像をよく見える形にスケッチしておく必要も私自身にもあるだろうと、個人的に提出させていただきました。
■タイトルは・・・

交流・情報のターミナル化によって創発する新産業のイノベーション基地「道の駅・ワッショイ周南

 本年始めに参加しましたパブリックコメントとは、大きく切口を変えてましたが、大枠はこのブログで書いてきたものを土台にして、具体的な仕掛けづくりをあれこれ加味したものです。「ええ?これが道の駅なの?」「こんな楽しい道の駅があったの?」と誰もが眼をむくようなイノベーティブな「道の駅」を描いてみました。
 地域ブランド研究会のメンバーの方から、どんな「道の駅」が誕生するのか、バーチャルリアリティ(仮想現実)を使ったデザインの方が多くの人に明確なイメージを伝えやすいい、というアドバイスいただいていましたので、この手法を拝借、開業した道の駅・ワッショイ周南がよくイメージできるよう、バーチャル体験レポートという形で説明を進めていきました。

 道の駅開業に向けての現状と言えば、市の方は経営母体の構築にとりかかっており、現場の直売所(ゆーとぴや)では売上げ向上が第一!という現実的な対応に追われており、「ええ?これが道の駅なの?」「こんな楽しい道の駅があったの?」と誰もが驚きの声をあげたくなるような斬新なアイディアが満載の「道の駅」へと発想がプランにでてくる予感がまだまだありません。このまま何処にでもあるような普通の「道の駅」になってしまう恐れが多分に・・・。
 審査員には市の関係者や道の駅の策定に関わった識者も含まれますので、是非とも、この「まちづくりコンテスト」を契機にして、「これは愉しい!」「これは面白い!」という声をいただけて、そんな夢の、周南の未来の一端を指し示すことができるような道の駅への動きが、共鳴者と一緒になって弾んでいけばと期待しております。

■提言の骨子は・・・
 〈W情報ストックヤード〉周南の資源価値の情報を集積する機能。
 〈交流ターミナル室〉 多様で多重な連携と交流を支え、始点でもあり終点でもあり得る連携機能。
 〈周南ブランド ラボラトリー〉共生・競創・恊働をキーワードとした価値創出のためデザイン機能。

<物販エリア〉
   ●周南お米コレクション(米が売れれば、石ころでも売れる・・・)
   ●TAKEプロジェクト(周南ブランド・竹コレクション)
<休憩・交流エリア>
   ●こどもの駅
   ●地域通貨「Buchi」
   ●周南キッズプロジェクトX
   ●SOHO共同オフィス
<ツーリズム発信エリア>
   ●周南新ツーリズム(下記ログも参照下さい)
   ●ツーリズムコレクション100(周南パワースポット100等)
   ●エコツーリズムのメッカ
<連携・社会貢献エリア>
   ●鮮度の高い情報発信基地
   ●防災情報ネットワーク・災害ボランティアネットワーク
   ●ソーシャル・イノベーション

 この3つの機能をクモの巣のごとく魅惑的に、機能的に運用、地域の小さな経済を積み上げて、重工業というビックビジネスに頼らない「小商い」としてのスモールビジネスを集積した新産業基地「道の駅」をデザインしたものです。錬金術のように、何でもないモノが、何処でもあるトコロが、価値を生み出す!マジックのような愉しいプランがあったり、こどもの駅では、キッザニヤのような擬似的なお遊びではなく、子ども達が生み出す連携パワーが、地域の実経済を押し上げていくようなプロジェクトも案内していきます。乞うご期待です。

 提案の本文は、これからの審査過程もありますので、ここでは詳しく紹介いたしませんが、添付資料(上の項目)の各エリアのシミュレーションレポートは下記の関連ログにて紹介させていただきます。

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」
 000. 道の駅・パブリックコメントに参加して…
 
 周南市PR映画・第一部が完成

004:シビックプライドを支える山々

裏山が培うシビックプライド

●いよいよ具体案に入ります。(前回よりの続き)
 前回にて周南エコツーリズムにとって、まずは、ガイドブック作成という基盤整備の必要性を説きましたが、後で思いついたのですがこれは、防災ハザードマップへの応用も視野に入れておけば、市民にとっても非常に有効な生活アイテムの一つになるかも知れません。
(道の駅が災害ボランティアネットワークの起点となる「ボランティア事業」も提案中です。それは別項にて詳細を検討します)

 さて、私たちが暮らす町の裏山・背山をしっかり体感出来て、その体験を全市的な共有感に高めることが出来るイベント、エコツーリズムへの関心を喚起させて、市域の内外へ強烈にアピールし、「周南エコツーリズム宣言」とでも言えるようなシンボリックイベントと言えば・・・陳腐のようですが、都市部の背後に広がる山々の峰を走破する「市民縦走大会」が浮かびます。このようなシンプルで持続可能な行事を持ち得ることが重要と考えます。
 スポーツツーリズム的に置き換えれば、「◯◯市民マラソンの開催!」というようなイベントが各地でよく行われ注目を浴びていますが、エコツーリズムでは何と言っても縦走大会でしょうか。走りと山歩きをミックスした「クロスカントリー」もあり得ますが、やはり中高年から子供まで、幅広い年代の市民がさほど特殊な技術や修練が無くても、参加出来て楽しめるものは市民縦走大会が一番だと思います。

●シビックプライドを支える山々

 ここで又、神戸を引き合いにしますが、神戸市が主催する「六甲全山縦走大会」を少し紹介します。
この大会は、加藤文太郎と出会い、六甲山での狂気のような山歩きを私が始めたキッカケとなったコースです。縦走路コースは、公称:全長56.4km、標高差の計が3000m余。普通のハイキングはおおよそ一日10~15km程ですから、4回分のハイキング距離を一日で歩き通すもので、それもアップダウンの激しい苛酷なルートです。死者がでたこともあります。山歩きに縁の薄いビギナーがいきなりチャレンジという訳にもいきません。
 それにも関わらず、毎年多くの参加者を集め地元ハイカーの秋の風物詩となっていますが、それも過酷なイベントの中で繰り広げられる様々な人間ドラマに惹かれ、市民生活に深く浸透した行事になっているからでしょう。(六甲全山縦走の項を参照

 神戸市民にとって背山「六甲山系」がシビックプライドの一つを担っていることは間違いないところです、そしてその愛着と誇りが、地域資源の磨き上げの原動力となって、ツーリズムをはじめ様々な文化資源としても活用できるスペース・市民広場としてのステージ機能を作り出しています。周南市においても、山塊の個々において魅力あるものが点在していますが、周南の背山とか裏山とか言える山域としての纏まり感が欠けているように感じます。「市民の背山・裏山」というイメージを強烈に投げかけて、市民全体の地域資源としての意識付けを作って行くには、神戸に学ぶまでもなく「市民縦走大会」が、平凡な発想ですが最適なプランとして思い浮かびます。具体的な山域やコースはいろいろと考えられるでしょう。

●道の駅がエコツーリズムの起点・基地に?

 「競創と恊働」の道の駅づくりを大きな前提に考えれば、道の駅の誕生に併せて、このイベントを位置づけしておくと非常に分かり易くなります。道の駅が交流のターミナル化を目指すためにも、縦走コースの起点か終点かが道の駅であることが最適だと考えます。道の駅がエコツーリズムの交流と情報発信のベースキャンプともなれば、道の駅の有り様も大きく可能性の膨らんだものとなります。
・・・そこでいくつかのルートプランが浮かびます。
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メインプラン
新南陽・永源山公園をスタート地点に、四熊岳~陶の道~嶽山~若山~旧西国街道~湯野三山~道の駅をゴール地点 ★地形図のオレンジライン
〈6ピーク、高低差合計およそ2,000m、全長推定:約20km〉

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サブプラン】 防府の大平山からスタートして湯野三山への縦走、ゴールは道の駅。メインプランよりややスケールダウンしますが、湯野温泉でのイベント併催が企画出来る。
★地形図のレッドライン
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メインとサブの同時開催も可能でしょう。いずれにしろ「道の駅」を終点にして、人の流れや情報の集約をおこないエコツーリズムの基地化(交流の場=起点)をアピールできれば言うことありません。
 ちなみに、メインプランは過酷で有名な神戸市主催の「六甲全山縦走大会」の約3分の1程度のスケールでしょうか。しかし6ピークとも独立峰となりますので、高低差も大きく3日分位のハイキングを一日で走破する体力的には過酷なものになるのは間違いありません。

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

003.周南エコツーリズム基盤整備と宣言

●山こそエコツーリズムの起点に.2(前回からの続き)

 「今、必要とされているものは何だろうと?」地域ブランド研究会でも、特産品・商品開発にかかわるニーズのあれこれを良く検討しました。ニーズの意味は、必要・要求・需要。「市民の―にこたえる」「消費者の―が多様化する」という視点であれこれ掘り下げていきますが、他者の要望を窺うより、自身において「欠けているモノ」をピックアップするほうがずーと簡単で利便です。ニーズの本来の意味は「欠落」という意味らしいですが、山を起点としたエコツーリズムを考える上でも、このニーズからアプローチすれば、とても簡単に回答が引っ張りだせます。
 周南市域の山々や遊歩スポットを紹介する書籍・登山ガイドブック・ハイキングマップがまず少なすぎます。学術関連資料や行政書籍を除けば、ほとんど全市域的にまとまりのあるモノは無い、流通していないと言えるでしょう。「山口県の山」など県単位で集約した書籍はいくつかあります。それらから周南地域の山の情報をピックアップして参照するかですが、系統的な山域情報を得ろうとすれば、ほとんどはネットで個人的なブログや山行記録を頼るしかありません。それらの個人的な記録も、個人の感想や体力基準で記録されていますので、ポイント間の距離や踏破時間に一定のレギュレーションをもっているものではありません。

 再三、神戸と比較して恐縮ですが、都市部のすぐ北に屏風のように連なる六甲山系をいただくこの地では、裏山・六甲山系に関する書籍は、図書館や本屋の棚の1コーナーを埋めてしまう程揃えられています。そして多くの六甲山ハイカーの拠り所となっているのが、昭文社のエアリアマップ(山と高原地図)です。日本100名山が絡むか、著名な山域を(現在59カ所)対象にものしか作成されていませんので、残念ながら山口県域での該当マップはありません。 
 エアリアマップ「六甲・摩耶」(著者:赤松滋)は私が六甲山を歩き始めた頃で年間3~5万部の発行があったと聞きましたので、いかに愛好者の層が幅広いものだったか(よくニーズに応えられたモノだったか)が想像出来ますし、数百万人といわれる関西圏のハイカー達の共有情報として、このマップにおいて提供された・地形的イメージや、地理的レギュレーションの果たした役割は非常に大きいものだと思いますし、何にましても山歩きの楽しさ・遊歩文化を成熟させたその貢献度はきわめて大きいでしょう。

●まずはマップという基盤整備から・・・

これに習って周南市域においても、単なる観光マップではない、山岳地図としての精度の高いガイドマップが作成出来れば、この地におけるエコツーリズムの一つの基盤となることは確かなことだと考えます。たかが地図一枚の話ですが、これを昭文社や山渓レベルに負けないものを作成するには、かなりの労力とコストが必要です。だからと言って、よく行政にありがちな、どこか専門業者に委託してしまうようなやり方は感心できません。それはあまりにもお粗末で、芸のない話です。「共生・競創・協働」を標榜する以上、一者で作り出すのではなく、ここでもエコツーリズムに関心ある市民、地域活動グループなどと連携を図って、その中で作業を進めていくことが筋道に合っているようです。
地元の世話好き、方々で活動している山好きという潜在的な人材は山ほど居られるはずです。学生スポーツクラブや企業の愛好者も交えて、産官学で推進していくのも有効な方法でしょう。このプロセス自体が連携資源ともなっていきますし、作り上げた時の一体感・共有感こそ周南のシビックプライドの貴重な種となっていきます。

■四熊岳~嶽山~若山などの新南陽背山群、■飛松山~観音岳~城山~黒石山~大谷山~昇仙峰の西徳山ピーク群、■大華山~笠戸島~下松の南海ピーク群、■和田や熊毛の東山域、■鹿野周辺に点在する1000m級の山群等など、広域な合併市域のあちこちに点在する山域をすべてフォローして、1/2.5万又は1/5万縮尺:一枚の地図に収めるのは至難の業かも知れませんが、市民プロジェクトとしてはめっぽうやり甲斐のある楽しいものになりそうです。

●そして「周南エコツーリズム宣言」本題はここからです。
 この情報共有マップ作成という基盤整備と平行して、エコツーリズムガイド(ボランティアガイド)の育成・運営やこれを支援する施策を充実させることも不可欠です。そうして、この活動のコンセプトを象徴的にアピール出来得るイベントを築くことも絶対に必要でしょう。
 私たちが暮らす町の裏山・背山をしっかり体感出来て、その体験を全市的な共有感に高めることが出来るイベント、エコツーリズムへの関心の喚起させて、市域の内外への強烈にアピールし、「周南エコツーリズム宣言」とでも言えるようなシンボリックイベントを企画・開催して市民行事として持続的に育んでいきたいものです。(次回!いよいよイベントプランの紹介です)

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

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●周南デザイン:関連ログ/
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002. エコツーリズムの起点

湯野観音岳八十八ヶ所石仏の一つ、下は秋の歩け歩け大会の風景

●山こそエコツーリズムの起点に

 22日、湯野観音岳の清掃登山に参加してきました。
 暑さが本格化してきたこの時期では辛い作業ですが、たくさんのボランティアが参加されて山頂までの山道・参道を整備してまいりました。この地道な日々の活動が地域にとってとても大切なことは言うまでもありませんが、山を祀る、山の神を奉じるなど「山」への思いは、太古の昔より「山と人」との関係で繋がれてきた日本風土・文化の大きな柱の一つとも言えるものです。
 その根っこに、「山」にまつわるツーリズムの本質もあるのだろうと思うのですが、それはさておき、「山」を舞台にしたハイキングとかトレッキングとかが、以前より根強い人気を誇っており、観光業界の中でも主要なツーリズム資源になっています。これからはリタイア団塊世代をターゲットにした、目的も多様で数週間~1カ月のスケジュールがあるゆったりした登山ツアーや各種のエコツアー等が注視されています。
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 残念ながら周南市域では、目星いエコツーリズムスポットが磨かれておらず、エコツーリズムの育成も遅れています。というか手がつけられておりません。市域環境が、比較的自然環境に恵まれ(大半は自然フィールドかな?)ていることもあって、足下のお宝に気が付いていないというのが実情でしょう。
 私は、2003年に当時の新南陽市に神戸より移住してきて、その年の内に、この観音岳をはじめ城山、昇仙鋒、嶽山、四熊岳など周南市の裏山遊歩を楽しませていただきましたが、地元の人々にとっては、これらの背山に秘められた資源的価値に気づかれてていないのでしょうか、エコツーリズムへの積極的な取り組みを見ることがありません。「オラが裏山」をもっとアピールされてしかるべき眠っている魅力を掘り下げることが求められます。
.
 自然フィールドに乏しい大都市周辺では、そのフィールドや自然体験を求めた近所登山、早朝登山、裏山ハイクなどという「遊歩文化」が成熟しており、趣味・余暇生活の一部としてライフスタイルの一端を占めています。自然との体験に飢えた都会人ならではの嗜好と言ってしまえばそれまでですが、地方においてもこの「遊歩文化」が、少し形を変えて普及し始めています。それは、都会ではやや希薄な「地域振興」というキーワードが加味され、ツーリズム発掘の大きなモチベーションとなっているところでしょうか。

●観光とは光を観ること、光を見直すこと

 「人の空洞化(過疎化)は、土地を空洞化させ、ムラを空洞化させる」そして「ふるさとへの誇りそのものが空洞化することがより深刻だ」という明大農学部の小田切さんの言葉ですが、地方の過疎地にとって、人が戻ってきて、耕作地やコミュニティを再生させるためにも、その土地そのものへの誇りを再生させる重要性を主張されているものと思われます。
 身近な風土への愛着・誇り、周南市のシビックプライドを再構築する上でも、これは出発点になるべき所です。従来型観光スポットと違って、周南の新ツーリズムは「此所」を起点とするべきです。そこに住む人たちが先ず、オラが山、オラが川、オラが田園に光を見出して、それを磨いていく作業を持続させる。これは、特殊なことでも何でもありません。もう一度私たちの身の回りにプライドの種を蒔いて、育てて、ブラッシュアップしていくという地道な活動であって、先人達の作業を繋ぎ直すだけのことなのかも知れません。時代はもうやみくもに登っていく時代ではありません、降りていこうとしています。それだけに誇りの再生には、「連携 = 共生と競創と恊働」がここでも大きな要素となります。

●具体的な提案
 低山ハイク、ピークハント、沢のぼり、里山ウォーカー、ワンダーフォーゲル、トレッキング、森林浴、ボランティアガイドなどなど・・・
 山に関するエコツーリズムのプランニングは縦横無尽に可能ですが、周南モデルで、それらをひとつ集約するプランを提案があります。(次回に紹介:これはけっこう楽しいプランですよ)

●周南ツーリズム:関連ログ/
 008. 精神の健全性に繋がるヘルスツーリズム(湯野温泉
 007. 第2回ゆの浴衣まつり、魅力ある観光地の再建・強化なるか? 
 006. ふるさと回帰?ふるさと創造?〝農村六起〟
 005. ふるさとは遠きにありて思ふもの? 
 004. シビックプライドを支える山々
 003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
 002. エコツーリズムの起点
 001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」

●周南市道の駅:関連ログ/
 新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
 お米コレクションプロジェクト!
 周南の未来を切り拓く道の駅
 周南市西部道の駅・見直し検討会?
 道の駅・パブリックコメントに参加して…

●周南デザイン:関連ログ/
 周南デザイン最終稿「新たなる道標」
 周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3、シビック プライド in 周南? 
 周南デザイン2、イメージとスペース 
 周南デザイン1、プライドとブランド 
 【周南デザイン】周南まちづくりコンテスト最優秀賞受賞!

周南デザイン最終稿「新たなる道標」

周南デザイン05
新たなる周南の道標

 「周南市西部道の駅」が地域にとってどうあるべきかを「周南デザイン」という観点から、いろいろと想いを巡らせてもう足掛け3年になりました。イメージ的にはほぼ完成図が描けたのかなと自分勝手に思い込んでおります。市当局の方向もコンセプト的に近しくなってきたようです。後は、誰がこの高いハードルを着実に超えつつ、数多の周南人を引っ張ってくれるのか、「人間力」の登場が課題になってきます。この「人間力」とて、一人相撲ではなく、連携パワーと相乗して更に大きな回転力を生み出していくものと思います。大勢の人に持ち上げられた、それこそ「ワッショイ!周南」です。

 というところで、このシリーズは今回を持ちましてとりあえず区切りを付けたいと思います。これよりは、描いた「連携の道の駅」の実現に向けての実作業となってきました。私個人としましては、この2年間に出来る限りの情報を収集して、開業時に必要な、そしてそれ以降にも活動の基盤ととなるようなデータベースをこの2年間に構築するようなことが出来ればと考えています。何ぶん一人では限りがありますし力が出ません。是非とも各分野の諸氏の連携を仰いで、その旨のグループなり、ネットワークを作っていきたいと考えております。山口デザインセンターでの研究会でも提案しようと考えていますが、ぜひとも多くの人のご協力をいただければ仕合せます。(コメント欄にでも書き込んで下さい)
(3月中には具体的な方向が浮かび上がってくると思います)

■周南ツーリズム~最終稿にあたって~

 2年前のパブリックコメントでは、ツーリズムの切口からの提案でしたが、今回の〆もツーリズムの観点で締めたいと思います。2年前と比べ市や県をはじめ、地域のグリーンツーリズムも活発に動き始めています。
昨年は「地旅博覧会 in やまぐち」が県内各地で開催され、11月には湯野地区で「とろろ蕎麦グルメ」と「山芋掘り体験」をセットにしたモデルコースが設定され、モニターツアーが実施されました。直に土にふれ合い、その恵みを美味しくいただた参加者の多くより感動の便りをいただきました。数年前から私たちが再三提案していたイベントですが、地元における地域資源への理解も深まって、やっと日の目を見ることになりました。
〈おいでませ山口たび倶楽部のサイトにて、本ツアーを募集しています(3月末迄)〉

 周南起点のツアーは他に、「ドラマチック周南コンビナート夜景観光」「ドラマチック工場夜景バスツアー」の2コースがエントリーされています。民間の夜景クルーズもありますが、コンビナートの産業ツーリズム価値はまだまだ、こんな形ではもったいないモノですし、コンビナート以外にも周南市の各地にはツーリズム資源が山と眠っております。
古いマス的な観光ビジョンに縛られずに、身の回りから洗い出す作業が求められています。山口における地旅ブームの起点ともなったと言われる岩国市の市民グループ「地旅の会」では、とっくに廃れていた市内の八十八霊場巡りの復元から始まったと聞きます。
 「朝の散歩会」がツアーサークルに変身した。ウィンドウショッピングや防災実習がツアー化された等など、個人志向や生活様式の多様化・多彩化の中で、いまやツーリズムは日夜、様変わりを続けています。このような行動様式・モチベーションを連携よく拾い上げて、迅速にサービス化・商品化するシステムがツーリズムには一層要求されています。

 海の幸あり山の幸あり、巨大プラントあり棚田あり、何でもありの「周南」は実はツーリズムの宝庫なのです。そのお宝に光を与え得なかった(光を観ることができなかった)のは、人の意識・生活の変化や社会の指向をよく見定めて、そのニーズに応えるものを提供できていなかった(デリバリー力の欠如を含めて)その事に尽きます。
グランドデザインを描くことができなかった行政の責任もあるでしょうが、大企業におんぶにだっこの市民意識の危機感の無さも反省すべきところです。市町合併後、地域意識も少しずつ変化はあるものの、市全体の将来を見通すデザインを支えるべきシビック・プライドが芽吹くまでに到っておりません。これはツーリズムにとどまらず地域ブランド全般にわたる課題です。

 誇りをもって我が地域を見直すためには、まずは、ささやかな身の回りのアクションを拾い上げるところから始めるのが一番。
「ウォーキングしながら棚田を眺めたい」「山に登って湯につかる」「子供と遊びながらモノをつくる」「美味しいもの食べ、人と出会う」そんな積み重ねから、さまざまなニーズを拾い上げて、フォームを捻り出して、的確にデリバリする。連携の枠組みにはめ込むことが出来るようになれば、あとは自然に走り出してくれるでしょう。
連携が生み出す周南ツーリズム「しあわせます周南」こそ、特産物と肩を並べて「道の駅」の花形スターになるだろうと大いに想定していますし、コレクションしていきたいものです。

新たなる周南の道標「フューチャーセンター」

 徳山駅周辺整備、市庁舎の建設、スポーツ公園整備など、進行しつつあるプロジェクト計画をみても、前世紀的な箱もの発想がまだまだこびりついているようです。ソフト的な創意工夫を積み上げれば、物量に頼らない活性地域の形成は十分に可能というか、これからの時代はそうあるべきです。市民の想いやニーズが一体何処にあるのか、何を目指しているのか、また、そういうものを提出して、集約していく場が何処にあるのか。そういう場が育まれることが望まれています。そして、その場こそ新しい周南の躍動の一つの起点となるでしょう。
 米百俵ではないですが、今こそ稔りある将来を見越したビジョンを示せるフューチャーセンターの設置が急がれます。この道標こそ身近な足下にたたずんでいることを見逃してはなりません。是非とも「周南連携の道の駅・ワッショイ!」の中に設けられることを切望します。

   しとどに濡れてこれは道しるべの石 山頭火

【関連ログ】
 周南デザイン最終稿「新たなる道標
 周南デザイン4〝周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
 周南デザイン3〝シビック プライド in 周南?
 周南デザイン2〝イメージとスペース
 周南デザイン1〝プライドとブランド